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近所のスーパー

近所のスーパーのアルバイトの可愛い男の子、おそらくだいたい高校生くらいなのだろうと思うのですが目が丸くて紅顔の美少年といった雰囲気でなんとも癒されるのでその子がいるということに気づいてからその子目当てでちょくちょくそのスーパーに買物に行っていた。

しかし最近はアルバイトやライブなどで忙しさにだらけてしまいそのスーパーにいけてなく、久々にあのスーパーに行くか!と思い先日買物に行きましたところその男の子がいた。いたのだけどなんだか雰囲気が違うな、と思い近寄ってみると子がゆるいパーマを髪の毛に当てていました。ええ、ああ、と僕はよろめきながらも何とか正気を保って「すいません。小粒納豆はどの辺に置いてありますでしょうか?」と完全に位置を把握している小粒納豆の在処を聞くとその子は少しぶっきらぼうに「あ、あちらになります」と手で方向を指しただけ、指しただけでまたああこんなバイトつまらないという顔に戻って作業にも戻った。

僕は思わず「ふざけないでよ!!!!!」と叫んでその男の子の両肩を掴み小便を垂らしながら「・・ちゃんと小粒納豆のところまで案内してよ」としっとり泣いてしまい、にっちもさっちもいかなくなってしまったという風にはならず、実際には小粒納豆の位置は頭にばっちり入っているので「ああ、こっちですね。すいません。ありがとうございます」と言って小粒納豆の方向に向かって歩き出し、そのまま何も買わず店を出て「おおっ・・」と少し唸った。この「おおっ・・」という唸り声は、娘が嫁にいってしまった日の夜に父親が叫ぶ「うおお~~~~~!」や、高校球児があと一歩のところで甲子園を逃したときに叫ぶ「うわああああ!!!!!」とほぼ同じ意味の「おおっ・・」で何がというと悲しかった。

僕は以前にもこの子がパーマをかける前、初めて見かけた時も「すいません。生卵のコーナーはどこにありますか?」と完全に知っている生卵の位置を聞いたことがあり、その時はニコッと笑ってくれて「こちらに生卵がございます」とこんな汚いドブデブ夜勤漫喫接客態度0点の僕に「生卵がございます」とまるで王様かのような接客をしてくれて生卵コーナーまで見送ってくれた、君が、君が、しばらく見ないうちに、パーマをかけ、ふてくされたように仕事を、するようになってしまったというのがすごく悲しいんだよ!!と言ったところで人が変化するというのはまったく止められないもので、ましてや僕とそのアルバイトの男の子はまったくの他人で勝手におそらくだいたい高校生くらいとか言ってるが大学生か最悪の最悪若く見える25歳くらいの人かもしれないというのはすごく寂しい。

僕がもし「2,3か月前の君はそんな接客態度じゃなかったでしょ!髪の毛も前の普通のやつのほうがいいよ!ねえ!!」とまたその子の両肩を掴み「ねえ・・置いてかないでよ」と言いながら泣いて小便を漏らすとさすがにそれだけでは逮捕なんていかないと思いますがまあまずそのスーパーは出禁。そのスーパーを出禁になるということは僕の食のライフラインがほぼ止まってしまうということなので(総菜や冷凍食品が異常に安い)何も食えなくなりみすぼらしい体になって一気に年月が過ぎ36歳とかになって終わってしまう。それに僕は今マセキ芸能社というところでお笑い芸人として預かってもらっているので、近所のスーパーで美少年のバイトの子の両肩を掴み「置いていかないで・・」と小便を漏らしながら泣いていたなんていうのがバレれば一発で解雇。芸能の世界は厳しいのでもう二度と戻ってはこれない。そうなると高卒の僕はどうしたらいいのか、どうしたらいいのでしょうか?とにかくまあそんなことにならないように日々規律に気を付けて背筋を正して生活している。

それでもやはり今回のように悲しい事件は起こってしまうもので、あ~~!パーマなんてかけないでくれ!!かけないでください!!と思う。勝手だけども、ああいいなあこの朴訥とした感じだけども爽やかな少年、接客態度もいいし美少年なこの子がもうずっとこのままこの近所のスーパーでバイトしているものだと勝手にどこかで思ってしまっていて、それがいきなりパーマにされて「あ、あちらになります」と手で方向を指され、ああ、あの日の可愛らしい君はどこへいったのと完全に過去の話になってしまったというのが嫌で、僕は、お笑いを、お笑い関係ありませんでした。話の終わらせ方がわからなくてお笑いと書いてしまいました。

そうお笑い。お笑いのほうは調子がどうかといいますと、これがまあ自分や自分たちではあまり調子のほうはというとわからないものでしかし僕もお笑いを初めて2年が経ちました。2年というとなんだまだそんなものか!!!糞が!!いきがるな!!という感じもありますが、それでもやはりまあ2年前の自分に比べて幾分かはマシになっている部分は多いと思います。2年前というと僕はもうまだまだ地元に住んでいる後輩の男の子に生活を支配されてしまっていて、どこで何をしていても(今後輩君は・・・おそらく・・・彼女と会っているのか)と思うと今回はスーパーを出た直後の「おおっ・・」ではなくマジの「ああああああああああああ!!!!!!」を叫んでしまっていた。それが嫌で奈良から大阪に逃げて大阪から東京に逃げてきたのに意味ない、意味ない「あああああああああああああ!!」みたいなのの繰り返しでまったくこれではプロの、プロフェッショナルのお笑い芸人の姿とはほど遠い。

今はさすがに「ああああああ!!!」なんていうのはなく、後輩君のLINEのアイコン写真が彼女の後姿になっているのを確認しても4時間ほど動けなくなったのちに「この写真って彼女?」とLINEで確認して2日後に「うん」とだけ返され48時間寝かされた感情が一気にきておえっとなってお笑いライブのエンディング中にそれを思い出してまた動けなくなってしまうといった感じで、それはまあ僕はまだ2年目なのでゆくゆくは成長してゆくということと、あとやはり人は変化する生き物だということなので、関係の変化は仕方ない。同じなのが素晴らしい人生とは限らないです。というか素晴らしくないと思います!!!僕は!!!

などという感じで、話は変わりますがテレビのオーディションに行くのにも少しづつ慣れてきた。慣れと言っても当然めちゃくちゃ緊張はするし、わからないことだらけなのだけれども、めちゃくちゃ怖い顔の大人たちの前で自分たちが考えた珍妙な動きや歌の熱唱が入ったコントをやる、というような際にコントをあまりビビらずやりきれるようになったという感じのことです。

僕らは歌ネタが多いので、自然とテレビに出させてください!!!とオーディションに持っていくネタも歌ネタが多くなるのですが、よく考えると真剣な大人の前でいくら受かりたい一心だとしてもふざけた歌を熱唱してそれでも相手が全然笑ってなくて会議室に自分の声がバンバン響いてて、うおこれは怖いキツいと思っても相方の船引さんがあまりしゃべらないネタがオーディションでは多いので自分の歌声だけが響く、地獄だ、というのに慣れた。ということです。あまり慣れてはいけないんですが。

それでもやはり船引さんにお笑いで拾われないと見れなかった世界というか、オーディションというのはテレビ局の中であるのでトイレに行こうと足を伸ばしたら「○○様 楽屋」と有名人だ!!というような人の楽屋があったり、いわゆるTVスターのような人とすれ違ったりする、というのは見れない景色なので楽しいです。「いやミーハーな気持じゃだめだよ!!!ちゃんとやれよ!!」と言われるかもしれませんが、自分はアルバイトで月給10万そこらのヘロヘロフリーター状態だけれども、この扉の向こうは月収何百万クラスなんだと思うとそういう世界の人と僕たち、勝手に僕たちってほかが誰かわかりませんが僕たちとの世界と空気が入り乱れていて、メイクザマネーだなぁ、自分はもっとやれることをやらないとという思いになるんですね。

その日ばかりは夜勤で客から「きつねうどんね」と面倒なフードの注文を受けても「はい!」と笑顔で作り、自分を戒めたりもするのですが、すぐにきつねうどんを作る際の「お揚げを電子レンジで温めた後別のさらにそれを置いてうどんを冷凍庫から取り出す」という作業にどっと疲れがきてしまい、今日は、今日ぐらいは、となまけてしまう。そういうのがよくないんです。お金を稼ぐには、面倒なきつねうどんを明るく楽しく作れるような人間にならないといけません。終わり。
by akuta-seiryou | 2016-06-13 16:21 | 日記


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