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記憶と弟

小さい頃、ドラえもんやクレヨンしんちゃんの映画版と通常回のズレてる感じが不気味だった。



映画ではありえないくらい大変な目にあっているのに、アニメではそんなことを感じさせず普通の暮らしをしているのが怖かったのだ。オトナ帝国であんなにえらいめにあってたじゃないか。のび太もスネ夫もあんなに大変な思いをしてたのに。全部終わったら何でそんな感じなの。映画の時があったのにその話はここではしない、という感じでも不気味だしなかった事になっているならそれはそれで不気味だ。




小さい頃、お母さんがたくさん、どんどん部屋に入ってくる夢をよく見ていた。どのお母さんも本物のお母さんで、最初にいたお母さんがどれかわからなくなってしまい怖くなったところで夜中目が覚めていた。目を覚まして、横で寝ている母親の頬を触ってみると冷たくて、それも怖く感じた。




こういう昔のワンシーンだけ覚えている瞬間ってなんで覚えているんでしょうか。さっきのお母さんの夢の話は、自分の中の怖かった記憶として残っているのでまだわかるんですが、例えば中学生の時に天理市にある老人ホームに職場体験に行った際に天理駅で降りて班で歩いているとき見た友達の横顔、中学の時グラウンドに出たら怖い先輩が「今日森いる?」と僕の剣道部の先輩の森さんがいるかどうか聞いてきた時の視点、剣道部の部室でみんなで白ご飯の美味しい食べ方の話をしている時に、その森先輩という人が「僕はねこまんまが好き」と言って手を猫耳のようにして話に入ってきたのをさえき先輩が「森はかわいいなあ!」と言って頭を撫でていた時。




今思えばその森先輩の猫耳の手をやってた時に、可愛いなと感じたような記憶がある。これに関しては、今の僕がその当時の森先輩の動作を思い出して可愛いと感じているのか、はたまた当時そう感じたのかははっきりとわからないが、森先輩も今思うと僕の好きな目の大きな色白の美少年タイプの中学生だったように思う。となると趣向としては当時からそのようなものがあったのかと考えることもできる。




僕はこれはもうそうなのですが、圧倒的に「弟」が好きで、僕には本物の弟がいてまず弟としてこれが大好き、お兄ちゃんがいるより弟がいてよかったなと小1の時に弟が産まれた時に思っていました。



そこからの流れで「弟」的な人への愛着はおそらく大きなものがあって、これは明確に覚えているのですが、中学時代の後輩にNという子がいた。Nと伏字にするのは「こころ」のリスペクトです。


このNという子があまり部活内で同学年の子と馴染めていなかった。というのも子供っぽい性格や、書き方は難しいですが調子乗りのような部分があった子で、それも弟好きの僕からしたら可愛い部分だったのですがそれが原因でいじめとまではいかないですが、悪口を言われたりして落ち込んでいるような時期がありました。


これに関してはNのプライドもあるだろうし、あまりこちらから肩を持つようなことはしないほうがいいな、と感じていたのですが、向こうから割と懐いてくれて武道場の上にある大きな窓の近くに登ってそこに座り相談を受けたりしていた。


どんな内容の相談を受けたのかは覚えていませんが、この「特別感」はとても嬉しかったのを覚えています。この「特別感」は厄介なもので、ある日N君が他の先輩に自分の悩みを相談しているのを見てしまった時、失恋のような気持ちになりました。俺だけを頼ってくれ、なんでなんだ、と思い僕のお兄ちゃんの部分が暴れて大変でした。


おそらくこれ以降、この「特別感」というのは僕の趣向に大きく関わってきて高校3年生の時にめちゃめちゃ好きになった男の子、後輩君(僕がこの子に関して歌った名曲 後輩君 という曲があるのでYouTubeで聞いてください)も「僕は木田さんだけが友達でいたら他にはいらない」というセリフを言われたきっかけで好きになった気がする。


本物の弟にも、なるべく僕は頼れるお兄ちゃんという存在でいたいと常々思っており、昔弟が焼肉の帰りにマンションの下でお腹が痛くなり下痢のうんこを漏らしてしまった時も(ここだ!!)と嬉しくなり「動かんとそこで待ってろ!」と言ってすぐさま自宅の2階まで駆け上がり、満面の笑みでビニールとタオルを持って駆けつけました。誰もそこを通らなかったからよかったものの、「お兄ちゃんがお兄ちゃんでよかったなあ」と何度も言いながら弟に恩の記憶を植え付けつつ、笑いながら地面の下痢を拭いてビニールを履かせて子供を抱き上げてる僕の姿を見られていなくてよかった。


何度も植えつけた甲斐があって、先日実家に帰った時に弟に「お兄ちゃんがしたことで一番嬉しかったことは何?」と聞いたところ「下痢の時助けてくれたやつ」と言っていた。努力は必ず報われる。皆さんも頑張ってください。


by akuta-seiryou | 2019-07-06 04:22 | 思い出


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