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清水君

僕の小学校の時の友人に清水君という子がいた

清水君は明るくて面白くていい奴だった。
僕は清水君が人に対してキレているところを見たことがなかった。清水君は皆の人気者だった

しかし1個だけ不思議な事があった。
清水君は家を教えてくれないのだ
遊びに行きたいと言っても「ダメ」と言われるし、帰りにちょっと寄らせてと言っても断られる
まあだからと言ってどうということもないので僕らは特に気にせずに遊んでいた

そんなある日、清水君が家に僕たちを呼んでくれた
その当時流行っていたカードゲームで清水君がとてもレアなカードを引き当てたとのことで
何人かを呼んでそれを見せてくれるというのだ

僕らは初めて行く清水君の家に心を踊らせていた
学校が終わり、清水君の先導で僕らは清水君の家に向かって歩きだした
しばらく歩くと周りがどんどんと寂れた景色になっていった
あまり見たことのないような長屋的な木造の家が並びだした頃、その中でも一番寂れた家を
指差して清水君は「ここ」と言った

清水君のははだしのゲンに出てくるような家に住んでいた
ピカドンという言葉がそっくりそのまま似合う清水君の家を前にして圧倒されていたら
横の家からヒョウ柄のセーターを着たヨボヨボのおばあさんが腰を曲げながら出てきて、家の前に水やゴミを撒いて中に戻っていった
清水君はそんな事も気にせずにボクらを引き連れて家に入っていった

僕は清水君の家の外敵から身を守るための壁のような角度の階段を上りながら
(清水君は自分がここに住んでいるというのを知られるのが嫌だったんだ)と思った
たしかに学校で言いふらされたら清水君は恥ずかしいし嫌な気持ちになるだろう
しかしその不安がありながらもここに呼んでくれたという事は清水君は僕たちを信用してくれているのだ
そう思うと嬉しくなった
2階の清水君の部屋に上がり、僕たちは清水君のカードを見せてもらった後にカードやTVゲームをして遊んでいた
僕はしばらくしてトイレがしたくなって清水君にトイレの場所を聞いた
すると清水君は「んー・・」と言ってゲームに戻った
なんとなく教えてもらえなかったので僕もそのままゲームをしていたのだが
しばらくしてやはり我慢できなくなって、ゲームに夢中になっている清水君にことわらず自分で
トイレを探すことにした

清水君の家は2階建てで、階段が狭いうえに急だからなるべく下にはおりたくなくて
2階でトイレらしきものを探してみたのだが見つからなかった

僕は慎重に階段をおりて1階に行った

ここかなという場所を開けると、そこに見慣れない蓋のついた和式のトイレが見つかった。
(なんで蓋がついてるんだ・・)と思いながらも僕は和式は学校のトイレくらいしか
知らなかったのでまあそんなものかと思って小便をしようとその蓋を開けた
その瞬間に、ありえないほどの臭気が僕を襲った

今だとわかるのだが、当時清水君の家の便所はボットン便所だったのだ
しかしその時の僕は「ボットン便所」というものを知らず、蓋を開けたら
いきなりわけのわからなすぎる悪臭が襲ってくる事実を1人で抱えているのが怖くて
急いで2階にあがり友人たちに「清水の家のトイレ臭すぎる!!」と大声で報告してしまった

そのあとは地獄だった
全員が下に降りて一人が入って便器の蓋を開けては「オエェェェェ」
とえづいて出てきて、また次の一人が入ってはえづいて出てくる

自宅のトイレをレイプされるようにまわして遊ばれ、清水君はたまったものではなかったと思う
しかしその時の僕たちに清水君の事を考える余裕はなかった。
ただただ目の前にある臭すぎる便所が強烈すぎた

結局その後帰ってきた清水君のお母さんにこっぴどく怒られて僕らは帰ってきた
清水君は家よりあのトイレを見られるのが嫌で他人を家にあげるのを拒んでいたんだろう
そう思うとなんだか申し訳ないことをしたなと思った


その半年後、清水君と二人で遊んでいた時に僕が外に落ちていたブリーフ
を拾ってそれを頭に被って清水君を笑わせたら
次の日朝一番から同級生に「パンツマン」というあだ名で
呼ばれだした時、僕は清水君に少しでも罪を償えたかなという気持ちになった

しかし面と向かって「パンツマン」と呼んでくる清水君に段々と腹が立ち、それまで他の人には秘密にしていたボットン便所の事を皆に言ってしまった
それから清水君は「ボットン」と呼ばれるようになった
「ボットン」と「パンツマン」。地球の危機を全然救ってくれなさそうな
ヒーローの名前みたいになってしまってから僕と清水君は疎遠になっていった

清水君の一番新しい情報は県内でもかなり頭の良い高校に入学したらしいというぐらいだ
ボットンのくせに偏差値を気にするなと思うが、パンツマンの僕は今フリーターだから
ボットン便所とブリーフだとボットン便所のほうが強いという結果になった
いつかボットン便所を見返したい
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by akuta-seiryou | 2013-11-30 18:42 | 思い出 | Comments(5)

耳鼻科にいく

先週久しぶりに病院に行ってきた。

何日間かずっと右耳だけ「キ―――ン」という耳鳴りがひどく、これは難聴とか大変なことになっているのではないかと焦ってしまいどうせ行くのなら早いほうがよいと思い、思い立った次の日の朝1番に病院まで自転車をとばした。

病院に入るともうすでに何人かの患者が座っていた。
僕は受付に行き、9月ごろに財布を落としてしまい、そこに健康保険証なども入れていたから今健康保険証がないのですがという旨を座っていた中国人のような女性に伝えた。するとその中国人のような女性は「後で保険証をお持ちいただければご返金できますが、今日は全額負担になります。よろしいでしょうか?」というハキハキとした日本語で返事をしてきた。
(これは日本人中国人どっちだ・・)と思いながら「わかりました」と返事をすると
その中国人のような女性はニコッと微笑んで頭を下げくれた。
最後まで中国人か日本人かわからなかったので名札を見たら「林」と書いてあった。絶妙だ。
席に座ってしばらく見ていてもわからなかった。

少し待合室で待って「中にお入りください」と林さんに連れられ診療室の中に入れてもらった。
中に入ると長椅子が何個か置いてあり、そこに何人かの老人が先に座っていて僕もそこに座らされた。
部屋の中央に長椅子に囲まれる形でおばあさんの先生が1人座っていて、対面に患者を置いて診察している。
おばあさんの先生はコントで見るようなCDみたいな丸いアレを頭につけていて、化粧も濃く、
口には薔薇みたいな色の口紅をひいていた。
(大丈夫か・・)と思っていたらどんどん老人たちが呼ばれていき、診察が進んでゆく。

平日の朝というのもあるのかと思うのだが若い患者が0だし、しかも大半がヘルパーみたいな人と一緒にきている老人で定期検診的な受け答えだけをして帰っていて、これはちゃんと看てもらえるのか?と不安になっていたらドアを開けて金髪で40歳くらいのおじさんが入ってきた。(わりかし若い人がきた!)と思ってその人を見たら背中にワンピースのエースが手から炎を出しているイラストがプリントされているパーカーを着ていた。
ワンピースのパーカーを人と会うときに堂々と着ているようなおじさんは絶対にまともな社会人ではない。この病院には介護されている老人とワンピースのエースが手から炎を出しているイラストをあしらったパーカーを着ているおじさんしかいないと思うとどうしようもなく帰りたくなったが、すぐに僕の番が回ってきた。

僕はおばあさんの先生の前に座った。

正面から見るとますます信用できないおばあさんだった。

だいたい患者を診るのにそんなに太くて濃いアイラインは必要はないはずだ。
ファンデーションというのかどうかもわからないが、肌も化粧で白すぎるし
ジンクスや継続してる儀式的な習慣の匂いを感じさせるほど変だ。何もないのなら普通にしてほしい。

これは失敗したな・・と思っていると、おばあさんの先生は僕に症状を聞いてきた。

右耳だけ耳鳴りがひどいというのを説明すると、わかったと言って僕の両耳をライトで照らしてチェックしだした。

しばらく先生は「あ~~~~~・・あ~~~~~~~・・・・あ~~~~~~~~・・・」
とゾンビのように呟いて僕の耳を触っていた。
「あ~~~~~~」の音の高さが高かったり低かったりして、高い音の時は何か悪いところ発見したのかと思うし低い音の時はもう手遅れの感じなのかと思うし、かなり心が揺さぶられいよいよ難聴かと思い始めたころにめちゃくちゃあっさり「とくに大変やっていうことはないね」と言ってきた。
地を這うような「あ~~~~~~」の意味、何度も揺さぶってきた音域はなんだったんだと思いながらも
難聴などではなくて良かったと僕はホッとした。

その後におばあさんの先生が「この季節は鼻づまりとかでそうなるのが多い」と言い出して
僕の喉に細長い機械を入れてジュっとやって機械を取り出して僕の目の前に出してきた。
その機械の先には赤紫の変な物体がついていて、僕は唐突にそんなものを見せられたから
「うわ!」と声を出してしまった。
おばあさんの先生はケラケラ笑って
「怖いか?」と言ってきた。
おばあさんの先生の容姿も相まって、魔女に魔法使いになる試験をされているみたいだった。
思わず「はい・・」と言ってしまったのだが、あんなことをされたら年齢に関係なく驚いてしまうと思う。あと「怖いか?」というのはおかしい。何医者なんだ。


その後僕は熱い霧状の液体がノズルから出ているのを口にくわえたり、それの鼻バージョンのやつを鼻に当てたりして治療を終えた。

帰り際に先生に唐突に「じゃあ次は明日か明後日。どっちがこれる?」と聞かれ、思わず「明後日」と言ってしまった。
受付でお金を払った。9000円だった。いくらお金が返ってくると言ってもそう何回もいける金額ではない。
先生も特に大変なことにはなっていないと言っていたし・・と思いながら帰りの自転車を漕ぎながら明後日はいかないでおこうと決めた。


帰り道に黒いコートにサングラスをかけた外国のマフィアみたいなおじさんとホームレスみたいなおじさんの2人組を見た。
マフィアみたいなおじさんはホームレスみたいなおじさんに向かって
「ちょっと!あなたの携帯これ、また電源切れてるよ!充電!充電!いつも20分とかしかしないから
すぐ切れるんだよ!3時間はしないと!3時間だよ!?」
と怒っていた。
ホームレスのおじさんは無視してズンズン歩いていて、そのマフィアみたいなおじさんが
「聞いてるのかよ!3時間!したのか?してないだろ!」
とやたら3時間にしつこく怒っていた。

家に帰って寝た。
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by akuta-seiryou | 2013-11-19 02:07 | 日記 | Comments(2)

僕と後輩君

僕は今20歳で、僕には好きな人がいる

その人は男の子だ。

しかし僕はゲイというわけではない。普通に女性とSEXしたいと思う。
前にピンサロで出てきたおばあさんにめちゃくちゃにキスをされた日を境に「快感があればもう
動物でもババアでもなんでもいい」という考えになってから、射精に至るまでの過程にも同様だ
と思っているのでそういう意味ではバイなのかもしれない。
でもその男の子は、僕が初めて「好きだ」という感情を抱いた相手なのだ。
それまではラブソング等は共感できないという以前に本気で理解ができなかったのだが
先日は倖田來未の「好きで 好きで 好きで」という歌で涙ぐんでしまった。
人を好きになる事を知って感受性が鋭くなったという証拠だ。
ちなみにその歌は調べたら歌詞に30回「好き」という単語が出てきていた。
曲名を含めたら33回だ。素晴らしい歌だと思う。

だから説明がややこしいし、これからブログを書いていったりする上でもっとややこしそうなので
先に書いておいてしまおうと思った。

なのでカミングアウト的な意味合いで書いているという風に思わないでほしい。
冷蔵庫の説明書的なノリで読んでほしい。

そもそもカミングアウトというのは、本人がその事柄を言うに言えない時期があり、それを乗り越えて言おうと決心して言うから「カミングアウト」というのだと思う。
それで言えば僕にはこのことを言うに言えなく悩んでいる時期がなかった。

僕とその子は僕が高3の頃、バイト先で出会った。

その子は1個年下でいわゆる美少年といった感じで、しばらくして僕がその子の可愛さに気づき好きになった時には写真を撮りまくって友人などに「めっちゃ可愛くない?」と自慢して回ってたし、本人にも好きだというのを伝えていた。
悩むという過程がすっぽり抜けているのはとても良かったと思っている。

しかしこのブログという形でつらつらとその子の可愛さや魅力を書くのもアレなので、これはとても可愛かったという話を何個か書いていきたいと思う。


まずは僕とその子の2人で東京に旅行に出かけた時の話で、その子は
アニメが好きなので秋葉原に遊びにいって、小雨が降ってる中その帰り道に2人で並んで歩いていた時に
「僕と木田さんって「君に届け」みたいやなって思うねん」
と言ってきたのだ。
その当時僕は両眉を剃っていてモヒカンで年中半ズボンという荒くれ者のホームレスのような外見だったので、まさか自分があの少女漫画の君に届けの世界に入れてもらえることになるとは思えず
「なんで?」と聞き返した。すると
「だって2人でいっぱい”初めて”を作ってるから」
と言われた。
君に届け(それもその子に貸してもらって読んだ)では、主人公のサダコという女の子と風早くん
という男の子が手を繋いだり遊んだりと初々しい”初めて”を経験して仲を深めていくという感じのストーリなのだけど、確かにその子は何かと「こういうことするの初めてです!」と言ってきていた。

それは2人で遊びにいくために電車に乗ったり、ラーメン屋に入ったり、夜に電話をしたり
と些細なことなのだけど、彼曰く「今まで友達に誘われたりしても全部断ってたけど、
木田さんみたいな人初めてやから」という理由で僕とそれらの初めてを経験してくれたのだ。

(可愛すぎるだろ・・)と思い

「じゃあ僕が風早君で君がサダコか・・」と言ったら
なぜか「なんで僕が女やねん!キモイ!」と怒り出した
そういう理不尽な可愛さを持っていたりする可愛さがすごい。

僕がその子に魅力を感じるのはそういう理不尽さも超えていく圧倒的なパワーというか
そういうのがとても可愛いと感じている。

今年の春、僕が地元を離れることになり、その子も進学でなかなか会えなくなってしまうので
最後に一緒に旅行に行こうと誘い、2回目の東京に行くことになった時のことだ。

ホテルなども決めて部屋を予約する時に、僕が「じゃあベッド一緒で寝よか」と提案した。
前回は一緒のベッドで寝たのだが、さすに今回は3泊もあるし断られるだろうなと思っていたら
「いいよ」と言われた。
そんなにいいホテルではないし、セミダブルで予約しようとしてるから
たぶん狭いと思うよと伝えても「いいよ」と言われた。
僕はここでこの感情を隠していけない、と思い
「もしかしたら僕は我慢できなくなって、夜に君を襲うかもしれない」と言った。
これはやっぱり言っておかないといけない。ここを隠していては義理が立たない、と三島由紀夫の自決前の顔つきでその子にそう質問したのだ。
するとその子は
「襲いたいんやったら襲えばいいんじゃない」と言った。
しかしそれに続けて
「でもそれをしたら僕は怒るし、僕を裏切ることになるで」と言ってきた。
そしてその後に「怒るじゃ甘いねんな~」とニコニコ笑っていた。
この時に確実に僕はその子に何枚も上手にいかれていると実感した。
三島由紀夫の死んだ後の生首のような心境になり
(すげえな・・)と感服したのを覚えている。

しかし僕だって最初からそんなに負かされていたわけではない。

最初の関係性こそ僕が一応先輩で向こうが後輩で、メールなどの文章も
僕は「明日遅れるなよ!」とか「~しとけよ」という感じで送っていたのだが
最近の1番新しいその子に送ったメールの書き出しを見てみると
「お疲れ様です。お昼にメールしてごめんね」から始まっていた。
お昼にメールする事を謝っていたらもう先輩としてというか
友達関係としてはもう破綻しているが、そういうのが当然の感じになっている。

だいぶ前にその子に
「いつからこんな関係になったんかな?」と言ったら
「木田さんが僕のことを好きって言ってから木田さんの負けは決まってんねん」
と言ってこられた。
そんなのは一生負けたいと思える負けだ。可愛い。

少し前に
「僕の顔が可愛くなくても木田さんは僕のことを好きになってた?」
と聞かれた。
「今みたいな感じでは好きになってないと思うけど、性格が好きだから好きにはなってたと思うよ」
と答えた。何か石田純一的な切り返しでちょっと嫌だけど納得してくれたからよかった。


そして僕は来年辺りに今いる大阪からも離れる予定だ。
そうなるとその子とは本格的に会えなくなる。
寂しいが今そうしたほうがいいと思った結果のことだ。

その子は2回目の旅行の時、最終日の朝に
「木田さんがずっと僕に会いたいと思ってたらまた会えるから」
と言ってきた。
「メールとか電話とかもこまめに返せないかもしれないけど、僕が木田さんを嫌いになったとか勝手に思わんといてな」
とも言われた。最高だ。

僕は今20歳だ。しっかりと生きないとならない。
葉隠の精神で「いつでも死ねるように健康であれ」的な言葉があるが
いつでもその子に結婚してくれと言われてもいいようにしっかりとやるべき事をして生きようと考えている。
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by akuta-seiryou | 2013-11-13 02:56 | 色々 | Comments(0)