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バイトのこと

僕は今深夜の漫画喫茶でアルバイトをしている。このバイトはというととにかく楽なのだ。僕が東京にきて最初に始めたアルバイトは新宿のど真ん中にあるゲームセンターだった。せっかく東京でアルバイトをするなら新宿でしてみたいという漠然とした理由だけでそのゲームセンターに決めたのだが、これがなかなか大変だった。
毎日のように競馬のゲームをやりにきてゲームに負けると消化器を振り回そうとする常連や、UFOキャッチャーが上手くいかないと台を殴りまくるホスト、トイレの大便器にものすごい量の大便をしてトイレを詰まらせ「トイレよお、糞詰まってんぞ!」と僕の肩を触って笑ってくるおじいさん。とにかくまあそういう本当に迷惑な人たちがきたら対応をしなくてはいけない。消化器を振り回そうとしてくる常連には「消化器はすいません。勘弁してください」と頭を下げて、台を殴りまくるホストには「やめてください。すいません」と必死にお願いをして、いよいよ自分の大便をトイレに詰まらせて笑いながら僕の肩を触って「糞が詰まってんぞ」と報告をしてくるおじいさんにまでなったときは何故時給900円で老人の大便を便器の奥に押し込まないといけないのかという怒りで頭がいっぱいになり、ケタケタ笑いながらモンスターハンターのメダルゲームに戻りリオレウスの討伐に出かけたジジイを背後で感じながらいざトイレまでいってみると覚悟していた量以上の詰まっている大便に笑いが込み上げてしまい「わはは」と笑い声を出してしまうと、その次に吸った空気、つまりジジイの大量の糞の真上に濃縮された糞臭が僕の口の中にスーッと入り込んできて思わずえづきながら一瞬にして湧いた大量の熱い唾を糞が詰まっている便器に吐き出してしまったところジジイの糞が少量僕のズボンにはね返り「あああああああああ!!!」と叫んだ時、もうこんなところでアルバイトをするのは僕には耐えられないと初めて思った。遅すぎる。本当に遅すぎる。
ジジイの詰まらせた便器からの返り糞がズボンにひっかかって初めてこんなことをしてる場合ではないと思うようでは東京では暮らしていけない。ジジイの便器糞の詰まりを解消するためにトイレのすっぽんで糞を押し込んで、引いて、押し込んで、引いて、とするたびに糞が奥からまたどんどん出てきだした時はもう涙を流してえづきながら笑っていた。悲しくも面白くもなんともないのに涙や笑いが出るとは思わなかった。ただやはり気持ち悪いという感情は強固で、笑いも涙も出なくなってもえづきだけは止まらなかった。僕が何とかトイレの詰まりを直してフロアに戻ると、糞を詰まらせたジジイがさっき討伐に出かけていたリオレウスに負けていた。糞は詰まらすはリオレウスには負けるは何なんだマジで。またムカついてきた。
そのゲームセンターのオーナーはとても怖い人だった。僕はとにかく怖い目上の人間が怖くて、怖い目上の人間が怖いと書くと何をアホみたいな言葉の並べ方でそんな当たり前のことをと思うかもしれませんが皆がある程度上手くやってる怖い目上の人間に対する無視、あるいは逆にヘラヘラしてうまくやりすごす、などの対策がまったくできなくてただひたすらオドオドビクビクしてるという感じになってしまう。これは中学時代にヤンキーにビビりすぎ、さらに高校で野球部の監督に3年間怒られ続けた結果のものなのだと思う。
とにかくそしてまあその怖い目上の怖い人はもれなく皆オドオドの匂いを察知する能力にずば抜けに長けていて、僕のバイトしていたゲームセンターのオーナーもその例に漏れず、初日に入っていた僕を見つけた時に「お前ゲーム好きなの?」と聞かれて正直に言った方が楽だなと思って「あんまり好きでやったりはしないですね!」と言うと「むいてねえよ!!」とテニスみたいなスピードで怒鳴られた時にあ、ここにもいたかという気持ちになりました。
やはりそのオーナーには目をつけられて僕がお笑いをやっているというのがバレた日から毎日帰る時に「ギャグやれ」と言われるようになり、巨大な女性器の中から力づくで脱出してくる泉ピン子や牛の話だけで子供をあやすお母さんというギャグを披露して「つまんねえ。帰っていいよ」という的を撃ち抜く言葉をもらうという日々を過ごしていたある日、オーナーに僕がかけているメガネが壊れたという話をしたところ「金出してやるからいいやつ買ってこい」と事務所の中に「木田のメガネ募金」と書いたボトルガムの飽き箱を設置、おそらくオーナーの圧力で社員さんらがドカドカ札を入れてくれて僕は新宿のゲームセンターに1万6千円くらいのメガネを買っていただきました。北野武の映画でヤクザが貧乏人の親子に飯を奢って、ラストのほうでその親子を鉄砲玉に使うシーンがあったように記憶しているのですが、おそらく僕はその飯を奢ってもらっている時だなという感じでした。楽しいことも辛いこともありました。終わります
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by akuta-seiryou | 2015-06-12 03:43 | 思い出 | Comments(0)