古本屋

先日入江陽さんという音楽を生業としている方から「以前にアップルミュージックで配信していた木田君のCDの売り上げがあるからまた振り込むね~」という旨の連絡を受けた。

そのことをすっかり忘れていたので、不意に来るお金にテンションがあがっていると「話は変わるけど、今度木田君の弾き語りのCD出すの一緒にやりたいですよ!手伝わせてくださいよ!」というメールをもらった。

入江陽さんという方はしっかりと音楽をやっていて、自分のCDのほかにも映画音楽も作っておられて今度その映画が全国でやったりもするという超しっかりした人であり、すなわちこの人のバックアップを受けてCDを出せるというのは端的に言ってかなりありがたいことで何が何でもこれにすがらなくては、と思い「ありがとうございます!!お願いします!!ぜひやりましょう!!」と返信すると「ありがとうございます!今何曲くらいありますか?」と言われ、固まってしまった。

完全に0曲なのである。なんといっても僕は未だGすらまともに弾けない状態でいて、練習といえばめちゃめちゃ簡単なコードであるEmをポロロンと弾いて一人ニヤっとして終わりみたいなどうしようもない状況で、しかしその旨を入江さんに伝えるとこれはまず100パーセント呆れられる。

今の僕の状態で入江さんに見捨てられるとなるとかなり危機的な状態になる、入江さんにだけは、入江さんにだけは見捨てられてはならないと思い「0曲ですが、今懸命にGを覚えているところですよ!!!!!!!!!!!!!!」とびっくりマークの数だけでやる気を表現して現状をそっと伝えたメールを送った。

その日からゆっくり頑張り、いまのところCとEmとGとDとAmとFが押さえられるようになりました。入江さん!コード覚えましたよ!!

入江さんとの出会いはおそらく僕が2年と半年くらい前に出した「後輩君」という曲に「よかったですよ!!」という風な連絡をいただいてからのお付き合いだと思います。

後輩君というのは僕が高校時代に出会って好きになった男の子への気持ちを歌にしたもので、これがなかなかによかったので褒めてもらうことが多く、それを受けて調子に乗って出した2曲目が「SUMMER TOWN」である。

これはもう何度も書いたのですが、SUMMERTOWNは「後輩君という名曲を世に送り出した人間の曲とは思えないほどの糞曲」という昔のファンからのダメだしを受けてしまうほどの出来になってしまい(これは名誉のために書いておくのですが、トラックは抜群に綺麗でかっこよくてPVも素晴らしく綺麗で、何がダメだったかというとひとえに僕の歌唱力の振り切れてなさ、PVでのたたずまいです)完全にやる気がなくなってしまっていた。しかしクラシックギターと僕の化学反応で大変なことを起こしてやりますよ!!そう意気込んでいます!!!

話は変わりますが、最近僕は足繁く通っている古本屋があります。

最初その店に入った時は品揃えもよくて意外な本が安かったりと普通に良いなあという印象でたまたま近くを通ったら寄る、というぐらいのものだったのですが何度か通ううちに少しずつその店の違和感に気づき始めました。

そこは女性の店員さんがほぼ一人で店番をしているのですが、行くとかならずおじいさんがその店員さんに話しかけているのです。それも本にまつわるような話ではなく、どうでもいいような雑談を延々としていて、なかなか終わらない。そんなに広くない店内なので会話の内容も筒抜けで、こちらも(なんでそんな話を延々としているんだ?)とモヤモヤするのです。

最初のほうはたまたまだろう、と思っていたのですがまた行くと別のおじいさんがいる、また別の日にいくとまた別のおじいさんがいる、また別の日に行くと別のおじいさんがいる。といった様子で、僕は釈然としない気持ちのままなんなんだここは..と外にでると、なんと外の100円本のコーナーのところに店内の様子を伺いながら自分の番を今か今かと待っているおじいさんが3人もいたのです。

僕は驚愕し、なるほど、ここは、老人たちが若い女性店員を目当てに話だけをしに来る地獄の本屋になっていたのだと理解しました。

それを知ってしまってからは僕はこの本屋の虜になってしまい、用のない日もわざわざ自転車に乗ってその店までいくほどのフリークになってしまった。

今日はどんな老人がいるのだろうとワクワクしながら入店すると、若作りを無理矢理している雰囲気のおじいさんが「俺さ、この前ストリップいってきたよ。尻だね、尻、女はさ!」と直接的に性をぶつけていて、女の店員さんがもう勘弁してくれといったふうに苦笑いしているのを見てウケたと判断したのか「この前なんて上野にGパン買いにいってさ、そしたら綺麗な尻したお姉ちゃんが3人いて俺がその尻をジーっと見てたらさ、何なんですか!とか言われちゃって、綺麗なお尻だねえと言ったら笑っててさ。なんでかなあ、俺ってなんかそういうの女の子に言っても大丈夫なんだよな」と一息に喋っていて、僕はゾクゾクしながら店員さんのリアクションを見るとああなんでこんな本屋になってしまったのだろうという感じに疲れ果てていて、僕は興奮してしまい2000円くらいの読む予定もない本を買ってしまいました。

また別の日には、普通に本の話を延々としているおじさんがいて、ああこの人はそこまで無茶なことはしないんだなと聞いているとそれまで目も合わせていなかったのに、いきなり顔を見て大きい声で「君はかわいいねえ」と言って帰ったおじさんがいて、何で最後にそんなモヤモヤすることを大声で言って帰るのか、リアクションも見ずに!!!ああ!!こうやって考えていることがもうあのジジイの思う壺なのか、なんなんだ!!とテンションが上がってしまい、もう持ってる本を普通に間違えて買ってしまった。すっかり僕はもうジジイたちの虜である。

本という共通の趣味と客という立場と知識という武器を使って、おとなしそうな古書店の女店主に懸命にセクハラしているジジイたち。僕の生活の活力にもなっている。

皆さんも探してみてほしい。ヒントは中野区です。またね

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# by akuta-seiryou | 2018-04-13 00:00 | 日記 | Comments(0)

怖いラッパー

この前夜勤のバイトに向かうために新宿を歩いていたらいきなり外国人に目の前でビームサーベルみたいなものを振られて「プーーー!!!」と言われた。

おそらく酔っているか何かで誰かを驚かせたかったところにたまたま僕が歩いてきたから咄嗟に驚かせたのだろう。僕は外国人の思惑通り「わあ!!」と言って大声をあげてしまい、外国人がケタケタと笑っていた。慌てる僕、笑っている外国人。そこで僕はなぜか咄嗟にこっちも笑いながらその外国人を指差して「イェ」と言ってしまった。

これが大層情けなかった。何が「イェ」なのか。男なら怒るべきだ。然として無視するのか、怒る、そのどちらかだと思う。僕の「イェ」は(これくらい何のダメージでもないですよ)という意味を含んだイェで、本当はとても驚いていたのに嘘のリアクションをしてしまっている。これは本当に情けない。ビビってないふりをして嘘で同じ土俵に立とうとしているのだ。全くもってかっこよくない。

これまで生きてきてずっとこういう人に唐突に絡まれることが多かった。最初は中学の頃からで外を歩いてると反対車線の歩道から僕に向かっていきなり「おいデブこら!!こっちこい!!」と知らないヤンキーに怒鳴られたり、最近では深夜の恵比寿を歩いていると前から睨みながら不良が僕に近づいてきて、思わず驚いたら笑いながらそのまま通り過ぎたりまた別の日に中野で「お前のことしってるねんぞ!マセキやろ!!」と謎のスキンヘッドの男に素性を少し知られた状態で遠くから絡まれたりした。もう嫌だ。そういうのは完全に見た目の情けなさで舐められているわけで、怖い外見だったりしたらほとんどはこんな目には会わないだろう。

僕はラッパーが好きだ。最近は中でも外見の怖いラッパーが好きでタトゥーをめちゃめちゃ彫っていたり、常に暴力的な雰囲気を発していたりする人が好きなのである。これはなぜかというと自分と真逆にある存在だから強く惹かれるのだろうなと思う。

この前新宿にKIDNATHANというラッパーにとても似ていて、おそらくそれらしき人がいたので、勇気を出して声をかけた。KIDNATHANという人は首元に大きくハンターハンターの旅団の蜘蛛のタトゥーを入れていて、ガリガリで悪そうな雰囲気がめちゃめちゃある人で、もし学生時代に出会っていたら100パーセント関わりになっていない、もしくはKIDNATHANさんの前で何か失敗したら苛められていただろうなといった雰囲気の人です。本当にこれはもうめちゃめちゃ勇気を出して「すいません、KIDNATHANさんですよね・・?」と声をかけたらきょとんとした顔をされた。終わったと思った。

KIDNATHANさん本人に声をかけるのはいい、もし無視されてもどんな雰囲気になってもそこまで最悪なことにはならないだろう。しかしKIDNATHANに似ているまったく別の人に声をかけてしまったとなると話は大いに変わってくる。ただのめちゃめちゃ怖い人だ。どうしよう、殺される。終わった。僕の死因はただのめちゃめちゃ怖い人をKIDNATHANだと思って間違えて声をかけてしまったことになるのだ。お母さん、奈良のお母さん。東京で調子に乗ってごめんなさい。と思っているとその人が「あ、はい」と言ってくれた。

僕はめちゃめちゃホッとして「ファンです!!」と言って手を出したら「ありがとう。ほんと、ありがとうございます」と言って強く握手してくれた。KIDNATHANさんは優しかった。

ホッとすると調子に乗ってしまうのが自分の悪い部分で「ああ、そうだけど」と言ってどこかに行ってくれるぐらいがよかったなあと思ったがよく考えると全然そんなことはなかった。ファン対応をしっかりしてくれて嬉しかった。ありがとうございました。新曲もかっこよかったです。

話が少しそれましたが、僕はこういう人に憧れがあるのです。首に旅団の蜘蛛のタトゥーを入れて新宿を闊歩するなって悪すぎる。自分を強く持っている。もし僕が首に旅団の蜘蛛のタトゥーを入れたら、まず即効でマセキ芸能社を解雇になりフリーになり、そこから首に旅団の蜘蛛のタトゥーを入れているからコントもうけずガクヅケも解散、見た目が太ってるしかっこよくないのでラッパーになれる訳でとなく、首の旅団のタトゥーのせいでバイトの面接も受からなくてもうどうしようもなくなり実家に帰る。実家は奈良なので奈良に住んでる首に旅団の蜘蛛のタトゥーがあるただのデブになるのだろう。どうしようもない。KIDNATHANさんの様な人生は僕が絶対に歩めない人生なのだ。

僕もそういう人生を歩んでみたい。今僕はジムに通っていて、その理由というのも彼女に「太りすぎ。醜い。もうええわ。ありがとうございました!!」と強制暗転ツッコミをされて彼女の目の前で「綺麗になりたい」とバレリーナのようにウォンウォン泣いて通いだしたという悪さからは程遠い理由なのですがこのおかげで今少しずつ筋肉がつきだしている。

筋肉がつくというのはかなり嬉しいもので、不思議と自信もつく。今日もお笑いライブに出演した時に本番前に矢野号さんに「明らかに痩せてるなあ」と言ってもらった。嬉しい。この前もフカミドリ杉山さん(※マセキの先輩芸人!!!)に「木田ほんと痩せたね」と言われてキュンとしてしまった。女だ。

この前実家に帰ったときに僕の「赤ちゃんノート」というのが見つかって僕が生まれる前や生まれたすぐ後のことをたくさん書いてあったので興味深く読んでいたのですが、そこに「お医者さんが80パーセント女の子と言っていたけど生まれたら男の子だった」と書いてあって産まれる前から僕がバイなのを予知していたのかと思ってゾッとした。

バイなのはいいのですが、とにかく僕は筋肉を増やして体をシャープにして悪いラップのPVを撮りたいのです。歩めなかった人生を擬似でもいいので歩んでみたい。今はそう思っています。終わり。

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# by akuta-seiryou | 2018-03-25 20:43 | 思い出 | Comments(0)

彼女に怒られた話

ジムに通っている。ジムというとあの筋肉をつける施設のジムだ。きっかけは彼女に「本当に太りすぎている」と絶望したような表情で言われたからだ。

思い返せば、僕は彼女の家にいて朝ごはんを買いにコッソリ外に出て近所のコンビニで買い、彼女の家でビックコーンマヨネーズパンを食べながら食いかけの半分を見せて「食べる?」と聞いて無言で首を横に振られ、なんとなく怒っているなかもという気配は感じつつも本当に怒っているという現実を受け止めるのが怖いし嫌で何気ない会話、何気ない会話を続けたいと思いその時ふと触っていたスマートフォンの画面に映っていた「マクドのポテト全サイズ150円」というクーポンを見つけてしまい「すごい、見て。マクドのポテト全サイズ150円やって」という最悪の報告を彼女にしてしまい、すると向こうはやはりもう心底あきれ果てたという表情になりそれを確認して初めてああ、やってしまったと思った。

だいたいが僕はどんどん太っている。彼女と付き合い始めてから8キロは増えたのではないだろうか。見る見るうちに太っていく彼氏が、起き抜けにノソノソとコンビニに行ってコンビニの中で1番でかくて1番マヨネーズの乗っているコーンマヨネーズパンを買ってきてモソモソ食いだして、それをどういう気持ちからなのか「半分食うか?」と勧めてくる。山賊みたいだ。それだけでも充分に勘弁してくれという事態だろうに、次はマクドナルドのポテトが全サイズ150円だという情報を提供してくる。Lを買おうとしているに決まっている。コーンマヨネーズパンを食べてる最中に次の飯のクーポンを見ているというのも嫌だっただろう。

恋人に嫌なことはしてはいけない。恋人が恋人を殴るのはダメだ。暴力は相手の心を歪める。言葉での攻撃もよくない。相手の心を虚弱させて関係を歪めるのは暴力と同じである。

では、太り続けコーンマヨネーズパンを食いまくりマクドのクーポンの話しかしないのはどうなのか?これはもダメである。食の暴力だ。僕だって彼女がどんどん太りまくり、コーンマヨネーズパンばかり食べてマクドのクーポンを見せてきて「今度一緒にいこう」とニヤニヤ言って来たら嫌だ。

そうだ、ダメだ。ダメなのだ。と僕は深く反省して、マセキの先輩バーニーズの細田さんに連絡して細田さんの家の近くの焼き鳥屋で話を聞いてもらい「太ってて、汚くて、それは、ダメなんですよ!!!!」と焼き鳥屋で号泣して細田さんの家までついていき無理やり家に泊めてもらい、深夜起きてトイレにいき水道を捻って眠って翌朝6時に帰宅。

すると次の日に細田さんから「ガスが止まった」と連絡がきて「ガス?」と思うと、どうやら僕が深夜にトイレに行って戻る際に手を洗った水道がお湯だったらしく、僕がそのお湯を出しっぱなしにして爆睡していて一度に異常な量のお湯を使ったということでガスが止められたらしい。細田さんには以前も焼き鳥屋で彼女の話をして大号泣していたら、次の日に細田さんだけ食中毒になったということがあり
「バイの恋愛の話を聞くとろくなことがおこらない」と言われた。優しい先輩です。

そして次の日に僕が高校時代からツイッターでお世話になっていた爪切男(本が出版されました!面白かったのです)さんにもお会いして、また同じく彼女の話をして延々勝手に塞ぎこんで焼肉を食べさせてもらい、それでも帰り道爪切男さんにずっとついていき「一人になりたくないです」「朝の5時まで一緒に喋っていてください」と言い続け、コンビニ、近所の公園でジュース、など付き合ってくださり最後爪切男さんの家の前まで行ってもなかなか帰らない僕に「はよ帰れ!!一人の時間を過ごすんや!!」と大人なセリフで激励してくださり、非常にかっこよかったです。

このお二方と彼女の三名におおいな迷惑をかけ、とうとう僕は自分自身が自分自身を確立するのは精神であるが、その精神とは肉体と大きく依存してあるということを実感するにあたったのでありました。

いきなり変な文章で書きましたが「健全な精神は健全な肉体に宿る」という昔から言われていることを身をもって感覚として理解したということです。夜勤もやっていてただでさえ運動不足な体、これをほったらかすことでまず気持ちもくたびれていき、それが余計表に、外見という形で出る、そうするとどうなるかというと自暴自棄になり朝からコーンマヨネーズパンをむしゃむしゃ食べて恋人にショックを与えてしまう、そうして自分もショックを勝手に受け、バーニーズ細田さん、爪切男さんにまで迷惑の波状は進んでしまうということです。

風が吹けば桶屋が儲かるの現代版、木田が太ってショック受けて相談すればバーニーズ細田さんの家のガスが止まるです。

そんなこんなで、ジムに通っているのですがこれがやはり想像通りかなり良いです。

僕は高校時代野球部に入っていて、その時今以上に筋肉をつけたいと思いジムに通っていたのですがその時の自分の筋力がどんどんと増えている実感が来た時の高揚感、これが久しぶりに体にきた時は懐かしさに感動しました。もっともっとムキムキになりたい。ありえないくらいムキムキになりたいんです。

instagramも始めました。どんどん痩せていく自分をおしゃれに記録していこうと思っています。しかし今は手軽に加工アプリで顔を撮って載せるのにハマッています。手抜きをしてはいけません。

彼女とご飯を食べる時もマヨネーズ系やギトギト系などには関心を示さない雰囲気を前面に出し、外食先を探す際も量の多いラーメン屋の前で立ち止まらないなどを徹底することで意識の向上に努めていきたいと思います。
終わり。

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# by akuta-seiryou | 2018-03-09 16:10 | 思い出 | Comments(0)

実家と仮想通貨

母親が仮想通貨に騙されているかもしれない。

僕は実家が奈良県なので、母親も当然奈良に住んでいるのだが半年ほど前に実家に帰った時「スージーコインを買ってん」と言ってきた。スージーコインというのは何なのか。まったく聞きなれない言葉に驚いてる僕に母親が得意気に「仮想通貨やん」と言ってきた。

仮想通貨、僕の家はどちらかというと裕福ではなく以前僕が東京で家を借りる際に親に連帯保証人を頼んだ時に不動産屋から「親の貯金額を教えてほしい」と言われ、母親に「貯金いくらあるか教えて」と連絡すると「全然ないで!ほんまに!ほんまにない!」と若手芸人のリアクションで言われ「ほんまにないっていってもそんなないことないやろ」と言っても「ほんまに!ほんまにやから!」と言う母に「とりあえずいくらあるか写真送って」と言ったら40000円という残高が写された写真が送られてきた。ほんまになかったのだ。

そんな状態である我が家が、仮想通貨を?僕の頭の中では一瞬で「詐欺」や「騙される」「田舎を狙った」などのワードでいっぱいになり「それ大丈夫なん?詐欺とかじゃないん?」と聞くと「知り合いの玉子の社長からここだけの話、て教えてもらったから大丈夫」と全然大丈夫じゃない感じのことを言われた。

玉子の社長というのをまず聞いたことがない。全玉子のトップに立つ人間なのか。社長の玉子?と思いそれはそれで怪しいが「社長の玉子?」と聞いたら「玉子の社長」と返された。どうやら知り合いで奈良で玉子会社の社長をやってる人が「ここだけの話」とお母さんに教えてきたそうだ。どうにも怪しい、と思って深く話を聞くとますますよくわからなくて「辞めた方がええと思うで絶対」と言うと「まあでももう10万買ってもうたから、、」と言って苦笑いみたいな顔をしてきた。

「まあお母さんらもそんなお金ないからこれ以上は買えへんしなあ」「宝くじみたいな感じでな、まあ、ええやん」と言ってきた。うちは毎年年末ジャンボ宝くじを1万円分くらい買って「こんなもん当たらへんからな!夢見る時間を買っただけ!」と母親と父親が揃って笑っていて、いざ発表の段になると全部外れていた宝くじを前にして「はぁ..」と死ぬほど落ち込んで「最初っからわかっててん!こんなん当たらへん当たらへん!!捨ててまおこんなもんな」と憎しみをこめてゴミ箱に1万円分の宝くじを捨てるという本気で7億を狙う姿勢からくる落ち込みのショーを見せられていたので「宝くじみたいな」という言葉は完全に希望がないのと同意なのだがまあ買ってしまったものはしょうがないし、僕としても両親が少しばかりの希望に顔が明るくなってる姿や、もしかしたら、もしかしたら本当にお金が増えたりするのかなという思いもあり「ほんなら好きにしたら」と言っていた。

それが半年ほど前である。僕はつい一週間前くらいにまた実家に帰った。母親に「仮想通貨どうなったん?」と聞くと「それなあ。相談しようとしててん」と言われ不穏だ、と思うと「海外で通帳作るからな、パスポート作ってくれて言われてな」とさらに不穏なことを言われ「あとなんか、王様たまごっていうのと生きくらげていうのを月に1万円買わなあかんくなってん」と言われ「絶対騙されてるやん!!!!」とお笑いのツッコミみたいな気持ちになった。さらに「ユーチューバーのスージーて人がこのコインの説明をしてる」「再生回数は273回」とどんどんボケてくる稀代のパフォーマーになった母親についていけず「ちょっと待ってって、やっぱり怪しすぎると思う」と言ってかなりの時間説得をした。

スージーコインだから、スージーというユーチューバーを作って説明させる、というのが何かもう奈良の田舎の老人たちを甘くみている感じがして無性に腹が立った僕は「絶対辞めてほしい」と強く伝えた。スージーて。「どうしたら騙されてくれますかね?」「うーん。ユーチューバー作るか」「なるほど」「名前はスージーコインだから、スージー!」「笑」みたいな流れで決まったに違いなく、僕をここまで育て上げてくれた母親をそんなやつらが搾取しようとしてるというのはどのようなことがあっても許せない。

「仮に、それがちゃんとした仮想通貨やったとしても、多分普通にめちゃめちゃ難しいと思う。僕らじゃおいつかんレベルの賢い人でも失敗してるねやから。辞めた方がいい。お母さん、辞めて!」と頼んだら「ううん。。そうやなあ。辞めた方がええかあ。そやなあ」とだいぶ弱ってくれた。

お母さん、というのが効いたのだ。息子からのお願いだ、というのを明確に言葉にしたことで母親の気持ちに直接訴えることができた。言葉というのはすごいものである。すると母が少し考えて「わかった。お母さん、辞めるわ」と言ってきた。

僕は歓喜した。とうとう「辞める」という言質を取ることができたのだ。あの手この手で犯人の心をなだめ、ゆさぶり、時には厳しく迫り「僕がやりました」という言葉を引き出した時の刑事やネゴシエーターはこんな気分なんだろう。「でも、一応付き合いもあるから明日最後の説明会だけいってくるわ」と言われた。付き合い?と聞くともともと何人かの友人たちとそれを一緒にやろうとしていたらしく、まあそれくらいは、もうしょうがないかと思った。母も母で色々あるのだろう。

翌日、僕が東京に帰る日の夜に母親が外から帰ってきた。僕は「どうやった?」と聞くと母は「ん〜!でも、海外で通帳作るっていっても、大丈夫そうやってん!!」と言ってきた。スージーにやられたのだ。あの憎っくきユーチューバーのスージーに。僕は母親をスージーに取られたショックで「そんなわけないやん」と声を絞ると母親は「まあまあ。お母さんには水素もあるし。水素水飲むか?」と実家の水道をひねって水素水を出してきた。忘れていた。僕のお母さんは水素もやっていたのだ。スージーコインを倒しても水素が待っている。僕の実家の水道は水素を発生させる装置をつけまくり、合体ロボットみたいな見た目になっている。

僕が子供の頃から使っていた水道とはもう似ても似つかない見た目になっている。人間は変わる、思い出の景色も変わる、それを止めようとするのは良いことであろうと悪いことであろうと本当のところでは家族であれ誰であれ関与できないのだ。「そうか。じゃあ気つけてな」とだけ言って僕は夜行バスに向かう準備をした。「東京でも頑張るんやで」と母親が握手を求めてきた。握手をすると、手があったかく活力がある感じがした。この元気の源はもしかしたらスージーコインと水素のおかげなのかもしれない。それ自体がどうかより、それが母親を元気にしているのならもう良いのかなと思ったが、あまりにも痛い目にはあってほしくないので「お金使いすぎんようにな」と頼んだ。母親は笑いながら任せてくれ、と言わんばかりの顔でうなづいてきた。任せられないから、と思って笑ってしまった。僕は夜行バスに乗って東京に帰ってきた。終わり。

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# by akuta-seiryou | 2018-02-22 19:51 | 日記 | Comments(0)

2018年とプレゼント

新年明けましておめでとうございます。

2018年が始まりました!僕は去年の暮れからクラシックギターを始めました。始めた理由というのも、僕は3年前ほどに高校の時にめちゃくちゃ好きになった男の子について歌った曲「後輩君」というラップの曲をYOUTUBEにアップしたところ「これは良い曲だ」「泣いた」「素晴らしい」という反応を受けて、気を良くした僕は(よし、2曲目はガラッと雰囲気を変えて流行の雰囲気の曲を作って評判をあげよう)と思いトラックを作ってもらい、流行を意識したラップを作ったところこれが大コケしてしまYOUTUBEのコメント欄に「後輩君という名曲を世に送り出した人間と同じ人とは思えないほどの糞曲」という身内からの刺殺を食らい寝込んでしまいました。

だいたいが2曲目のPVのコンセプトは「海で30人くらいの美少年に囲まれて僕が酒を飲みながら歌ってる」というもので今の自分には実現不可能な規模の絵を浮かべてしまっていたのがまず一つ目の失敗で、実際募集の段階になってもそこまで集まらず、しかし持てる人脈の全てを使って何とか7人ほどの男を揃えることができたのですが、その中でイケメンは3人ほどであって、あとの4人は普通の男という状態。まあでもまったく集まらないよりはいいし、何よりほぼほぼボランティア状態で撮影地である江ノ島まできてくれる男の子たちには感謝だと感じていたのでこれはもうやるぞ、やるしかないと自分を鼓舞していたところイケメン3人の内2人から当日の撮影にいけなそうという連絡をうけとうとうイケメン1人と普通の男4人、プラスでデブの男好き1人という不穏な匂いが漂い始めこれはヤバイと判断した僕が事務所の先輩芸人、ぷらんくしょんのラティーンさんというアラスカと日本のハーフの女性の芸人に声をかけて来てもらうことで状況を打開しようとしました。

撮影には僕の金字塔「後輩君」のPVを撮ってくれた堀切さんというプロでカメラの仕事をしている人に今回もお願いしたところ快諾してもらい、僕はもうこれでこのPVの成功を確信して眠りについたのですが、いざ撮り終えて皆に見せたところ「画質が綺麗なぶん、なにかおかしい」「ラティーンが変」「めちゃくちゃ変なやつがいる」などの酷評ばかりが僕の耳に届きました。確かに撮影をしていただいた堀切さんの撮影技術、編集、カット割りともにとても素晴らしく、被写体が僕ではなくスダマサキさんやカメラに映える人物だと非常に素晴らしいPVになっていたと思います。

しかしやはりハゲて太ったバイが何人か男を連れて海を闊歩している異様さはさすがに技術ではカバーしきれなかったらしく、そのせいもありなにかおかしいという雰囲気が出ていました。あとはラティーンさん、これも僕の判断ミスで男で揃えるなら男で揃える、というは最後まで守ればよかったのですが「女性を一人置くことで少しでも普通のPVに近づけたい」というふぬけた下心が動いてしまってコンセプトの無さを際立ててしまっていました。

最後の「めちゃくちゃ変なやつがいる」というのはPVにて、僕の後ろで常に苦笑いでステップを踏んでいる飛鳥という人間です。飛鳥については僕はその当日初めて会ったのですが、というのもさすがにこれじゃあ人が少なすぎるだろうとなった時に僕の知り合いが「じゃあ・・飛鳥さん呼びますか・・」と
しぶしぶ出した秘密兵器のような感じで呼んでくれたのが飛鳥でした。飛鳥は江ノ島まで来てくれたのはいいのですが、本当に「他人の体が触れない」らしく逆にこちらから飛鳥の体を触ろうとしても「わああ!!」と言ってだいぶ向こうに逃げていってしまうような人でした。今回のPVでは僕にラフに肩を組んだりしてほしかったので「悪いんですが、少しだけ肩を組んでみてもらえたりってできないですかね?」と頭を下げて頼んでみると「やってみます」と言って少しだけ僕の肩を手で触って、「あああ!」と言ってまた少し向こうに走っていってしまいました。

そんな飛鳥さんがかなり努力してくれて2時間くらいかけて全身を震わしながら僕の肩を2回撫でれるようになったのを皆で喜んでいた時、なかなか喋らなかった自分の子供が初めて喋った時のような感動をあの場で全員で共有できたと思います。

しかしその感動の共有と同時にPVの理想の完成は飛鳥というとどめの登場によって完膚なきまでに叩き壊されたことも肌で感じました。僕含めみながぎこちない中、群を抜いてぎこちない動きで悲しいのか楽しいのかまったく読めない表情でモゴモゴ動いてるのが飛鳥なので皆さん見てみてください。

長くなりましたが、この2曲目の大ゴケをうけて今度は弾き語りで余計な装飾は無しに本来の自分の歌の最初の部分に戻りたい、ということでギターを練習しています。

ギターを弾いて愛を歌う、ほぼジョンレノンですがジョンレノンぐらいにならないとやっていられないような状態に12月の僕はなっていました。それは更新料を払うために夜勤を6連続で入れて、1日休んでまた5連続、といったありえないほどバイト期になっていてその合間にお笑いのライブやオーディションもあるので最後のほうはもう爆発していて「冷めた愛で暖めた 暖かい手が愛を冷した」という素晴らしい歌詞が生まれました。

理想は僕と美少年の2人のフォークデュオ「おとこうた」での弾き語りなのですが、たぶん無理なので僕が曲をつけて一人で歌います。

僕は最近彼女が東京にきてとても楽しいので、彼女との恋の歌も歌いたいです。「おとこうた」で彼女との恋の歌を歌うともう何が何やらで迷路みたいな感じになりますが、それはそれでよさが生まれるのではないかと思っています。

この前のクリスマスの時に、僕が彼女に何かプレゼントしようと考え手紙とちょっとした指輪2個とあったかい靴下をあげたのですがいざ彼女に渡してみると、その指輪が二つともありえなくらい大きくまったく彼女の指に合わず、どうしようもない空気になったことがあったのでそれなどを曲にしようと思います。タイトルは「合わない指輪」です。

思わせぶりなタイトルですが、実際男の僕でもぶかぶかなくらい大きな指輪をプレゼントして気まずくさせたというそのままの意味が込められているだけです。なぜあんなブカブカの指輪を買ってしまったのだろうと後悔したのですが、買ってしまったものはもうしょうがなくいくら後悔しても取り消せないのです。

彼女から「無理なことはしないで」と言われたのですが2018年は彼女にだいたい合うサイズの指輪を買えるくらいにはなりたいです。2018で思い出したのですが、手紙の中でも「2018年は」と書いたあとに2018の部分を二重線で消して下に「ごめん..!」と書いて「2019」と書き直すというキモすぎる間違いをしていたのでこれは自分でも嫌でした。今年もよろしくお願いします。

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# by akuta-seiryou | 2018-01-12 23:39 | 日記 | Comments(1)