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生活と思い出

夏に花火を行こうと計画していたのですが、見に行きたかった今年の花火は10月にやるとのことで夏にいけなくなった。

理由はというと、去年夏にやったその花火大会で落雷が人に当たったりと大変なことになったので今年は10月とのことになったそうで、全くその通りにしたらいいと思った。

以前その花火大会に行った時、彼女と僕で意気込み彼女が浴衣僕が甚兵衛で花火を見に行った後、帰ってきて僕の家の近くの駅の前で記念写真を撮ろうと彼女に閉店したとんかつ屋の前に立ってもらいスマホを向けたら思いっきりおじさんに前を通られた。

太った男が彼女を連れて閉店したとんかつ屋の前で記念写真を撮ろうとしているのがムカついたのだろう。おじさんの顔を見ようと思って向こうを見ると、もうおじさんはいなくなっていた。あれはもしかしたら未来からきた僕だったのかもしれません。

並行世界の僕が、彼女と出会わないまま、お笑いもやることもなく、可愛い男ばかりを追いかけ続け、大阪を追われ、僕の前に現れた。さようなら並行世界の僕。花火をせめて見に行ってみてほしい。

夏というと、僕は高校生の頃スーパーでアルバイトしており、毎日そのスーパーに通っていた。本当に毎日行っていた。シフトの無い日も。そこのバイト先に好きな男の子が働いていたからだ。このブログで何度も書いたりしている後輩君という子なのですが、何をしに行っていたのかというとその子に毎日毎日「一緒に東京旅行にいこう」と誘いに行ってた。

最終的には「わかった。いこう」と成功したのでやってみることに価値はあるのですが、当時はこの努力は報われるのかと毎日闇の中を進んでいる気持ちだった。

シフトが入っていない時はスーパーの休憩室の一角にある押入れみたいな2畳の和室に入り込んで目を開けて息を潜めていた。暇すぎるのでそこで小説を書いていた。原稿用紙にシャーペンで延々と書いており、内容もしっかりとは覚えていないが「後輩の男の子と遠い島に行って、そこにあった施設に泊まり込み、そこにずっと住む」という小説だったような気がする。ずっと住む小説の何が面白いんだと今では思うのですが、まあとにかく現実でも小説でも似たようなことを希望していた。

一度その小説を書いてる時に、スーパーのパートのおばさんにその個室の扉を開けられて僕がいないと思っていたのか「ぎゃあ!!」とめちゃめちゃ驚かれた。すぐに店長にチクられて僕は正式にその個室を出禁になった。しかし店長は優しかったので「俺の部屋にいてええぞ」と店長の机の横に僕が好きな男の子待つスペースを作ってくれた。ありがたい。

そのスペースでじっと待ち、後輩君がシフトを終わって「まだ待ってたんか」と言われ2人で帰る18時くらいがとても夏だった。18時というとそこから23時くらいまで喋れるので、延々と喋った。

僕は奈良からはすぐにでも出ていきたいし、いつか出て行くだろうとは思っていたのでこの時間が永遠には続かないという感覚が当時からあった。今好きなだけこの子に向かわないとダメだとなんとなく思っていたような気がする。大げさだが一生後悔すると思っていたので、とにかく毎日毎日会ったりメールを送ったりしていたらそれから2年後くらいの20歳の時に「渡さんがいなかったら今の僕はない」と言ってもらえた。僕は「いや区切りみたいなこと言わんといて!!」と言ったのを覚えている。

生活と遠いところにあるのは思い出だ。しかし生活も思い出もどちらも素晴らしい。

僕が出てるお笑いライブも今は僕の中では生活なので、思い出して物思いにふけったり、などは全くないがもしか僕が事故に会い、体が動かなくなってベッドの上で考え事をしてるだけの日々になったとしたらダンボールのユンボの中から姿を現して暴れるきしたかの高野さんや、フランスピアノ中川さんの腕の毛、フェー篠原さんのtinderで出会った女に大衆居酒屋で30分で6000円分も酒と飯を食われそのまま速攻で西武新宿駅に逃げられた話などを思い出して涙を流すだろう。記憶の中のそれらは光り輝き、僕の頭の中で汗を流して生きている。

大切な人との日々もそうで、一瞬一瞬が息をしているのだ。いつか僕の体が動かなくなった時、頭の中できしたかの高野さんが狭い部屋の中でとても巨大な鳥に追いかけられて、最後に戦っている映像を見たいのでなんとかしてそれを実現できる財力を手に入れたいと思う。1日1日は宝物だと、そう思う。未来の僕はこのブログのことを覚えているのだろうか。

by akuta-seiryou | 2018-06-05 04:11 | 思い出


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