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演劇に出ました

マチネ、ソワレが終わり、流した汗は舞台の光の中に蒸発して消えていった。マチネ、ソワレ。


皆さんは「マチネ」と「ソワレ」の意味を知っていますか?僕は知っています。


「マチネ」は午前「ソワレ」は夕方という意味らしいです。なぜ僕がそれを知っているかというと、先日人生で初めて演劇に出たからです。演劇というと必要なのは最低限の演技力で、もともと自分に演技力が無いのはわかっていましたが、自分で思っているよりも演技力というのがありませんでした。


稽古初日にまず、僕が気まずそうに「あぁ」というシーンがあったのですがそれが全然言えなかった。「あ」や「あーーー」などばかりで「あぁ」が出てこない。


音を操るというのは難しく、意識するとどんどん変になっていく。主宰の方に「全然普通で大丈夫ですよ!あぁ、みたいな!ほんとにほんとに!」と言われやってみると、その時は「あぁ」と言えて「その感じです!じゃあやってみましょう!」と言われ練習に戻ると「あーー」と言ってしまい「またなっちゃってますね!!」となるのを繰り返していた。最終的にその部分はなくなって全然違う台本になった。


台本を変えてもらう、というとワガママなスター女優みたいですが、何もできない太った男でも変えさせることはできました。下手すぎてですが。申し訳ないなと思いましたが、本番で「あぁ」を出す自信はなかったので少し安心しました。


最終的に、主宰の方と一緒にトイレで並んで小便をしている時に「木田さんはどんな感じだとやりやすいですか?」と聞かれ僕は「なんか..簡単なキャラがあると..」と小便と同じく歯切れ悪く答えたのを反映してもらえたのかどうかはわかりませんが「元気な歌のおにいさん」というめちゃめちゃわかりやすいキャラをもらって、そこからは比較的楽でした。


そんなこんなで練習が終わり、公演も終わり、最終日に打ち上げをやりました。打ち上げも終わって外に出た途端、急にめちゃめちゃ寂しくなりました。悲しい、終わりたくない、これで終わってしまうのか、僕は高校野球をやっていた時から「合宿」とか「引退」とかが部活的な事が大好きなので今思えばこの「一定期間集まっていたメンバーが合わなくなる」というのがドツボすぎて気持ちよかったというのがほとんどだったかもしれません。


感動を自分で増幅させてる状態の僕は、最後外で共演した皆さんに握手を求めたりしてどんどん感極まっていった。一番役も楽で演技が難しいところもなかった太った男が最後の最後にいきなり熱くなって握手をしてきたから困らせてしまったかなと少し思う。


共演した俳優の方と上野まで一緒に歩いている道中に「すごく寂しいですね。こういうことなんですね。俳優さんの楽しいところって」と的外れなことを言って歩き続けた。


一期一会という感じがとてもいい。あっさりさっぱりしている。家へ帰る。


by akuta-seiryou | 2018-12-28 07:09 | 思い出 | Comments(0)


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