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アルバイト

先日から深夜の漫画喫茶でアルバイトを始めたのですが、出勤5回目にして女の店長に呼び出され「君はここでバイトを続けていくのは厳しいと思う」と言われ、辞めることになった。
話を聞いていくと仕事を覚えるスピードが遅すぎると言われ、毎回毎回出勤してくるたびに仕事の出来具合が初日とほぼ同じ位置に戻っていると指摘され、その説教を受けながら口を閉じて(今日はバイトに備えてモンスターのエナジードリンクを飲んできたのにな)と思いながら女の店長の目を見つめ黙っている僕の姿はまさしく太った白痴の男だった。たぶんバイトに備えてエナジードリンクを飲んだ4時間後にバイトをクビになったのは僕が初めてだと思う。情けなさすぎる。
しかし「クビ」と書くと一方的にこちらが被害者みたいになるがそういうわけではなくて、そもそも僕はかなり仕事ができない。できないと書くとそこに関して俺は一切改善の努力をせずに俺は俺なんでこのままやらせてもらいますみたいな雰囲気になってしまいますが少なくとも自分の中ではそうではなく、言われたことはメモをとって、わからなければ聞いて、家に帰ったらメモを読んで、頭の中で仕事をしているイメージをして、いざバイト先に向かうのですが本番の作業、たとえば僕が一番苦手としているのは本物のお金を触るレジ業務で、
これをやるときになると「ミスをしたらどうしよう」というイメージで頭の中がパニックになり、手が震えてきます。そんな状況ではミスをしてしまうので、それを落ち着かせようと意識すると次はレジをどう触っていいかが頭が回らなくなり、1000円のお預かりを2000円、と入力してしまって慌てて消そうとして入力画面ごと消してしまうみたいなミスをやってしまいます。こう文字にして書くと本当にどんくさすぎるし頭が悪いなというのは自分でもわかります。
なんか自分のダメなことばかり書いていたら卑屈な気分になる上に(こんなダメなの笑えますよね)というだけになるのがとても嫌なので書きますが、僕は自分におもしろいことを思いついたり書いたりする能力があると思っています。これはもう唯一大人からずっと褒められてきた部分で、最近になってちゃんとした芸能事務所で仕事としてお笑いに携わっている大人の人などにも継続的に「おもしろい」と言われ続けることによって自信から確信に変わった部分です。
しかし「おもしろい」から「仕事ができない」わけでも「おもしろくない」から「仕事ができる」わけでももちろんありません。仕事もできておもしろい人を知ってますし、面白くもないし仕事もできない人も知ってます。というか単純に仕事ができる人のほうがいつでも落ち着いて判断できたり要領よくその場の空気を読めたりと即興的なおもしろさをリードして産みだすのに必要なスキルがそなわっているように感じます。仕事ができない人は仕事ができない人で、パニックになったりする様を追い込まれて見せてしまったりとかでおもしろさがあることはあるかもしれませんが、そこも仕事ができる人が(俺がここでパニックになって慌てたらウケるで)と思ってそれをされたらもう何もすることはありません。ただ立ってるだけです。しかしいまから、というかこれはもうそもそもの話だと思うので、自分が仕事ができる側の人間になれるとは思いません。
しかし、最低限の仕事がこなせるようにはなりたいのです。深夜の漫画喫茶のアルバイト業務ができなすぎて5回目の出勤で話し合いの末に辞めるのはもうたまりません。漫画喫茶でのアルバイトを始める前、僕はゲームセンターでバイトをしていました。そのゲーセンも、もう辞めるとなったので先日もう会わないだろうという人に「今までありがとうございました」と挨拶にいったところ「次のバイトでは解雇されないように気をつけたほうがいい。今の仕事のできなさだったら絶対に解雇されるよ」と言われ、いやいや最後の最後までなんてことを
言うんだと大丈夫だろと思っていたら即効で解雇されました。即効で解雇されることもあるんですね。
僕はとても緊張をしてしまいます。特に目上の人から怒られ出したらもうとにかく怒られたくない怒らせたくないというきもちになります。出勤5回目の時に女の店長に僕はシャワールームの貸出のやり方の説明をうけてしました。その女の店長なのですが、僕に仕事を教えてくれる時はずっと(信じられない・・)みたいな顔をして教えてくるので僕はもうすでに怒らせたくないと思うようになっていました。怒られないように話をしっかり聞こうとするとどんどん焦ってきて、するとなぜか汗が出始めました。僕は今まで説教をされたり緊張して汗が止まらなくなったりというのはなかったので(とうとう汗まで出るようになったのか)とショックをうけてしまい、でもそうしてるうちにも汗はどんどん出初めて女の店長のシャワールームの貸出の説明はどんどん進んでいきます。顔がビショビショになって女の店長が説明をし終えて「・・何か質問ある?」と言われて僕は顔をさらにビショビショにしながら「すいませんもう1回最初の方からお願いします」と言ってしまいました。
言った瞬間にしまった!とは思ったのですがもう言ったことですから取り返しはつきません。女の店長はさらに信じられないといった顔にしてから「とりあえずさあ汗そんなかくんだったらはやく拭いてきて」と言ってきました。僕は通常でこの量の汗をかく男だと思われるのが嫌で「いや、すいません、パニックになっちゃって、、」と言い残して汗と顔を洗いにトイレにいきました。書いていて気づきましたが、たしかに女の店長側から見るとシャワールームの貸出の説明をしているだけで急に顔がビシャビシャになるくらいの汗をかきだして拭いてこいと言ったら「パニックになりました」と言ってくるようなやつ雇っていたくないですよね。トイレで顔を洗ってハンカチもタオルも持ってなかったので紙タオルで顔を拭いて鏡を見たら顔が真っ赤の馬鹿そうな顔の男の人が写ってました。もっと書こうと思ってましたが書くの終わります。
# by akuta-seiryou | 2015-02-26 16:30 | 色々

記憶

僕は乳首を触ると本当にめちゃくちゃブルーな気持ちになる。これはなんとも説明がしにくい感情と現象なのだけど、そうなってしまうから仕方がない。
それに最初に気づいたのはおそらく高校2~3年生のころだったと思う。どういったタイミングでかは覚えていないが、自分の部屋でなんとなく乳首を触ってみた時にそれが急に襲ってきた。それというのは乳首を触る時にだけ来るめちゃくちゃブルーな気持ちのことで、これを読む分には(性感帯として未発達な部分を触ってる時の気持いいのかなんなのかよくわからない。感覚とかなんじゃないの?)と思われるのかもしれないが、そういうのでは決してない。まず強烈に世の中にたいしての気力がなくなる。(自分はどうせ何をしても死んでいくだけなのだからもう何をしても一緒だ)くらいに思って本当にこのまま死んでしまいたいという気持ちになる。性感帯ではこんなことにならないと思います。このことに気づいてからはなるべく触らないようにしていたのだが、ある日僕はその感覚をふと思い出して、さらに続けて大昔にこの感覚とほぼ同じような感覚を体感していたことがあるというのを思い出したのだ。大昔といっても本当に大昔で、僕が保育園にいたころまで遡るのだけども、当時僕は母親も父親も仕事をしていたために毎日遅くまで保育園に預けられていた。ほかの園児たちはどんどんとお母さんが迎えに来るのだが、自分の母親はまだ迎えに来ない。この感覚だけは21歳の今でもかなりはっきり覚えているのだけど、よくある話で僕は毎日(今日はお母さんは僕を迎えにこないだろう)と感じていた。それプラス、おそらくあの味方なのか敵なのかよくわからないビジュアルのインパクトのせいだと思うのだが仮面ライダーアマゾンがジャングルの奥から猛ダッシュで僕を迎えにきている、という確信がなぜかあった。僕は毎日母親が迎えにくるのが先か、仮面ライダーアマゾンが迎えに来るのが先かとビクビクしながら母親を待っていた。もちろん毎日母親は僕を迎えにきてくれたのだけど、それでも家に帰ると(今頃アマゾンは保育園について僕がいないのを確認してジャングルに帰ってるんだろう。そしてまた明日もくる)と怯えていた。今思うとアマゾン効率が悪すぎるから一旦ジャングルに帰る必要ないと思うのだがそういうことではなくほんとうに当時はギリギリだった。
話がずれてよくわからないかもしれないが、僕が乳首を触る時に感じる感覚と保育園の時に母親を待っていた感覚。これがほぼ同じなのである。母親は迎えにこないと思い込んで、もう母親にすら見放されて僕はアマゾンにジャングルに連れて行かれてそこで一生過ごすのか、またはこのまま一生保育園の中で死んでいくと思っていた気持ちが高校生の自分が乳首をいじっていたらグーーーと強く存在をアピールしてくるのだ。
僕はほんとうにもうダメな時は正常な判断ができなくなってしまう性格をしていて、それはこの乳首を触ると厭世観と言っていいほどとてつもなく悲しい気持ちになるということに対してもそうで、(この感覚を追い続けていったらどうなるのだろう)というのが気になって、乳首を触ってしまう時がたまにある。たいていは最初の辛さに耐え切れずすぐに手をはなしてしまうのだけど、さらにもう一歩、もう一歩といじりつづけてみると、だいたい頭痛がしだす。(俺は結局何をしてもどうしようもない。死ぬだけなんだから何の意味もない。このまま寝ても起きても一緒だ。死ぬだけだ)とい気持ちになる。もうほとんどこの段階になると辛すぎて、だいたい乳首から手をはなす。ちなみに手をはなすと不思議なものなのだが、さっきまでの気分は本当に綺麗さっぱり何もなくなる。乳首をいじっている時はあんなに衝動的で強烈すぎる自己否定文章が頭の中をグルグルと回っているネガティブの化物みたいになっていたのに、乳首から手を離すと普通の青年に戻る。
月を見て変身する狼男のように自分の乳首をいじって死にたくなる乳首男。誰の役にも立たない。狼になったほうがマシだ。
頭痛がしだして頭の中で自己否定の文章がずうっとなりだしても乳首をいじるのをやめないとどうなるのか。僕は頭痛がきても意地になって歯をくいしばりながら乳首を弄り続けたことがある。
頭がグワングワンになって(俺はどうしようもない。俺が大事にしている人もいつかどうせ自分の前からいなくなり、父親、母親、弟もいなくなる。俺はこの世界でひとりっきりで死んでいく。なんの才能もない。何をしても最後に死ぬだけの結果。未来永劫地獄。来世も地獄。地獄から地獄へ生まれ変わって地獄に落ちる)というイメージと文章が頭のなかで暴れまわって、最後結局涙を流してしまった。
自分の部屋で乳首をいじり続けて最後は涙を流すなんてほんとにどうしようもないのだけど、そんな時でも乳首から手を離すと、さすがにそのときは1分ほど時間がかかったけども(いやいや未来なんてマジでどうなるか知らないしわからないだろ。希望めっちゃある)という気持ちになりました。本当に何も僕の乳首は何も生み出さない。乳首いらないかもしれない。

このブログ書く前に乳首をいじってみたら、やはりかなり辛い気持ちになり(お笑いなんかしてても意味ない。死ぬだけ。なにをしても意味ない)という気持ちになったのですが乳首から手をはなすと平常心に戻れました。3の倍数と乳首触ってる時だけネガティブになります。
2月11日(祝日の火曜日)にマセキ芸能社の主催ライブでオリーブゴールドというライブに出ます。これは結構な数のオーディション受けに来た人たちの中から毎回合格をもらえて出てるので頑張ってます。みにきてください。僕のツイッターか(ガクヅケ 木田 で出ます。ガクヅケはコンビ名です)このブログのコメントとかで名前とチケットの枚数教えてください。1000円を僕らにくれたらチケットを渡します。お金ください。場所は新宿fuという劇場です。西武新宿駅から徒歩2,3分です。お金くださいね!では~~
# by akuta-seiryou | 2015-01-27 04:42 | 色々

彼女ができました

僕に彼女ができました。
なんでこんなことを書いているのかというと、僕は高3の頃から21歳である今もある後輩の男の子の事がとても好きで、それについてブログに書いていたりしたので彼女ができたこともここに書いておこうと思ったからです。このブログの前の記事にも書いてあるのですが、僕は地元の後輩の美少年の子が非常に好きです。
ここで「好きです」という言葉を使っているのは、今もその地元の男の子の事は好きでその子との関係性を大事にしたいと思っているからです。しかし、とても勝手な考えかもしれないのですが今の彼女のことも好きで大事にしたいと思っているのです。いきなりこんな事を釈明のように書き出しても何が何かわからないと思いますので少しだけ順序を追って書いていきたいと思います。僕は3~4年ほど前にある映画の専門学校に通っていました。僕と今の僕の彼女は最初その専門学校で出会いました。僕は1年目が終わろうというころに(なんだかこの学校はカメラを使う授業が多いな)とボンヤリ思い始め、それとなく先生に聞いたところ「この学校をでたら最終的にカメラとかアシスタントの職ににつくことが多い」という様な事を言われ、映画の脚本家を目指していた僕は「知りませんでした。すいません辞めます」と言って今なお僕の首を絞め続けている奨学金約200万円という爆弾が残るということには気づかずにその学校を辞めました。その1年後に僕の彼女は在学中に撮ったドキュメンタリーが評価されて大阪の小さい映画館とかで上映されたりして同級生たちと一緒に無事卒業しました。

しかし在学中は僕と彼女はそこまで喋ったことがなく、ただ他人から彼女が銀杏BOYZが好きだという情報を仕入れていた僕は「あんなステージの上から客にフェラチオさせるバンドが好きな女性なんだったらならだいたいのことは手伝ってくれるだろう」というひどい偏見のみで、ちょくちょく自分の映像を撮る時の手伝いを頼んでいました。僕の映像作品に出てくれる女子中学生を捕まえるのに一緒に奈良県のスーパーにきてもらったり、映像を完成させる上で女の裸が必要だと思った時に「裸になっておしろいを塗って踊ってくれないか」と全然才能のない若手AV監督のような要求をしたりとそれ自体は結構大変なことをお願いしていたのですがそれ以外は会話をしていた覚えがあまりなく今考えるとただただ迷惑をかけていたなと思って恥ずかしくなるだけなのですが終わったことなのでなんとも言えないです。そして僕はその時ちょうど後輩の美少年の男の子がとても好きで急に嬉しくなったり急に辛くなったりと情緒がぶち壊れていた時期で、辛すぎて好きすぎて13歳の女子中学生のような精神状態になった日の夜、数少ない連絡先を知っている女性に電話して延々と後輩君はこんなに可愛いという自慢話をして「でも俺は付き合うことができない・・」と落ち込み、通話相手の女の子が「そうだね」などと仮にでも同情のような声色になった瞬間に「女であるお前にわかるわけがない!!!!!」と声を荒らげて電話を切るというヤマンバのようなことをやっていた時期で、おそらく今の彼女にもそれをやってたと思うのですがそれでも彼女は僕と付き合ってくれるという選択肢を選んでくれたのです。

そして僕の彼女は評価の高いドキュメンタリーを撮るだけではなく可愛いのです。容姿がいいのです。どれぐらい可愛いのかというと、可愛さがぶち抜きすぎて銀杏BOYZのPVに少し出ています。銀杏BOYZが好きすぎて銀杏BOYZのPVに出たことのあるという即戦力実力派です。そんな人が僕の、僕のといっても僕の容姿なんか知らないと言った方がとても多いと思いますので書きますと顔はかっこよくなくて体型は太っていて女だけじゃなくて男も好きという文字だけで書くと死後に合う責め苦のような人間を好いてくれているというのは本当にめちゃくちゃ貴重なことだと思います。そしてどちらが告白したの?というフレッシュな事柄に対して書くと僕から告白しました。僕は人間はどんな形であれ自分がイメージする幸せに向かって生きていくとより自分にとって辛いかもしれないですが楽しく生きていけると考えています。21歳現在。

僕がまず思う大きな幸せとは、自分の才能でご飯を食べられるようになるということです。僕が自分で感じている自分の才能は「様々な種類のおもしろいことをイメージして、それを文字や映像やなどで自分の外に出す」ことです。それを活かしてご飯を食べられるようになるという事を実現するために脚本家を目指して映画の専門学校に入学しました。しかしそこで(このまま卒業しても自分のイメージとは遠そうだぞ)と思って学校を
辞めて、大阪で一人暮らしを始めて脚本や小説の公募などを手当たり次第に送りだしました。そんな日々が1年近く続いて、色々とあって今の相方の船引さんと一緒に東京に出てきました。東京に引っ越してきた時は”お笑いをする”という選択肢はあまり無かったのですが「お笑いで頑張って事務所などに入れれば自分のやりたいことに近づけるかも」と考えてお笑いをやりはじめました。今はマセキ芸能社という事務所のオーディションに通っています。毎月結構な数のオーディションを受けに来る人がいるなか、何とか合格を重ねています。是非ライブ来て欲しいです。
僕が次に思う大きな幸せは自分が大事にしたいと思う人を大事にし続けられることです。後輩君であったり、彼女であったり、身の回りの面白い人たちであったりといった人たちを大事にしていくことはかなり幸せだと思います。しかし僕の中で「後輩君を自分の精神を安定させた上で大事にすることができる」というのはかなりの難易度のもので、例えば向こうが学校の友達と付き合いでカラオケに行った話を聞くだけで京都のブックオフの片隅でしっとりと泣き崩れて座り込んでしまったというくらい安定がしていなかったのです。大阪にいたときに紹介でしか人を占わない占い師に後輩君と僕の関係性を聞いたときに「向こうのほうからあなたとの関係を切ることはない。関係を切るとしたらあなた。裏切られる前に裏切ってやるとなってあなたが関係を切る」とズケズケととんでもない未来予想図をされたことがあるのですが、そんなことする訳が無いという気持ちはとてもあるのですが、正直その気持ちはとてもわかるというところがあって、実際後輩君に彼女ができてしまった時に「僕とのことなんかもう全部どうでもいいもんな。彼女できて忘れるやろ」という糞重いブス女のような電話をかけてしまったという実績もあって(後輩君はその時に返事で「そんなことないよ。木田さんは木田さんだから」という返事をしてくれました。天使です)自分がそういう精神性を少しばかりは持っているというのも十分自覚しているのです。こんなことではもしも後輩君が結婚などしたら正気でいられるわけないし、想像するのも怖すぎます。

そこで、ではどうしたら安定できるのかと考えると、後輩君を好きで大事にしたいと思う感情の方向とはまた別の方向で好きで大事にしたいと思う人ができればいいなということで、僕のことを面白いと思ってくれて、後輩の男の子の事が好きなことも理解はできないかもしれないけど意味は汲み取ろうとしてくれて、気立ての良い
女性がもしいれば「彼女」という存在として一緒に過ごしていけるのだろうという家賃2万円で5LDKに住みたいというようなことを思っていたら、ホントに現れたという感じです。


あーーーーーーーーーーーーーーー幸せになりてーーーーーーなります。終わり
# by akuta-seiryou | 2014-11-15 00:06 | 色々

牛の女の子と人魚の乳歯

「この子の病気を治したいのなら人魚の乳歯を見つけてくることですな」
老鳩教授はそう言って赤い目をパタパタと閉じて聴診器を置いた。
「この子はただでさえ人間と牛のハーフの子供。ちょっとの風邪でもお薬を探すのは大変なのに、こんな難病にかかられたらいくらワシが鳩医者界で随一の天才鳩医者と言えども治すのは簡単ではありませんぞ」
そう言って老鳩教授は周りをキョロキョロ見渡した。
「それに最近はここも怪しまれていましてな。ライオン政府のやつらが人間とのハーフがおるというて探しにきてる。何、難しいことは言わんよ。北の村に行けば人魚なんざたくさんおる。そこで子供の人魚を見つけて、ちょこっと歯を持ってこれば治してやる。なあに。簡単簡単。さあさあライオン政府に見つからないうちに帰るんだよ。お代はいつものリンゴの味の甘いパンで結構なのでね。うん。それではな」
私は牛だ。そして今お医者に見せにいってた子供は私と彼の子供。彼は人間で私は牛。つまりこの子は牛と人間のハーフということ。彼は私と付き合う前に一度だけ人間の女の子と付き合っていた。彼はその女の子のことを心から信じて愛していたんだけど、結局最後は裏切られてズタボロに振られてしまったらしい。そんな彼が行く先も決めずにフラフラフラフラ北に南に西東と何日も歩いていたら私たちの住む世界に迷い込んできてしまって、そこで私と出会ったという訳。
彼とは初めて出会った時から600回言葉を交わして初めてキスをして、1000回言葉を交わしてSEXをしました。私は牛だから人間の男の人とSEXをするのは初めてですごく気持ちよくて、彼も牛とSEXするのはたぶん初めてですごく気持ちよさそうで2人はすぐに愛し合って子供ができました。でも彼は牛の私とSEXをしたから亀頭の粘膜を通して人間はかからない奇病にかかって全身が赤く腫れて苦しみながら死んでしまったのです。私はそれはそれは悲しかったけど、彼が死ぬ前に「ミエナ・・」と前の人間の好きだった女の子の名前を言っていたのが自分勝手な気持ちだけどたまらなく悲しかったです。
というわけでこの子は私と彼が愛し合った唯一の証であり一粒種なので大事に大事に育てていたのですが、人間と牛のハーフなので免疫力が弱くすぐ風邪を引いてしまうの。それで近所の老鳩のお医者さんに毎回看てもらってたんだけど、今回だけは厄介みたい。心なしかこの子の体が赤く腫れてきてる。あの人が死んだのと同じ病気で死んじゃうのかも。早く北の村に急がなきゃ。
抱っこ紐でこの子を抱っこして自転車に乗ってキコキコと私は北の村に向かって漕ぎ出しました。
電車を使っていっても良かったのですが、国鉄はライオン政府に監視されているのでこの子が万が一見つかってしまってはいけないと思って自転車で行ったのです。しかし私の住んでる村から北の村まではザッと見ても40キロはあります。私はヘロヘロになりながら自転車を漕いでいると、なんと不幸なことに目の前にライオン政府のライオン警察の保安官が立っていたのです。
「そこの子供連れの牛の女。止まりなさい」
私は内心はドキドキでしたが涼しい顔をして自転車を止めました。
「最近南の村で人間と子供を作った牛の女がいるという噂があってな・・お前は何か知らんか?」
「いいえ。なんにも」
「ほう。おや、可愛い子供を抱いてるな。ちょっとお前の子供、見せてはくれないか?」
「いいえ。見せません。先を急ぎます」
「怪しいなお前は。見せろ!ライオン警察の言うことが聞けないのか?」
私がいよいよ万事休すかと思ったその時、横から声がしてきました。
「ライオン保安官さん。その人は先を急いでいるんじゃろ?通してあげなさい」
見るとそこには身長が4メートルはある高鷲の親分が立っていました。
「うううう・・」
さすがのライオン保安官も高鷲の親分には何も言い返せません。
「ふん。はやく行け牛の女!」
私はまたキコキコと自転車を漕ぎ出しました。長い一本道をひたすら漕いでいると、よこにさっきの高鷲の親分が並走して飛んできました。
「さっきはありがとう」
「いいよいいよ。それよりそんなに急いで北の村に何のごようだい?」
「この子の病気を治したいの」
「そうかい分かった。なら俺が北の村まで運んでやるよ」
「ホントに?ありがとう!」
そう言って高鷲の親分は私の背中を自転車ごと掴んで北の村まで連れて行ってくれました。高鷲の親分に掴まれて空を飛ぶのはとても爽快でした。びゅんびゅん風が横切るのがたまらんく涼しいのです。高鷲の親分は何か喋っていましたが私は風の音で何も聞こえなかったのでうんうんと頷いていました。しばらくすると北の村が見えてきました。
「さあ。着いたぞ」
「ありがとうございます!」
「私はここで昼寝をするとしよう。さあ行きなさい。また会おう」
そう言って高鷲の親分は大きな体を折りたたんで目を閉じ、まるで死んだような静かさで眠り出しました。
私は自転車を走らせると、村の入口に「ここからさき 人魚の里」という立て看板が見えました。村に入ると人魚まったくいませんでした。おかしいなと思って自転車をすすめると、大きな池にぶちあたりした。
池につくなり私はため息を漏らしてしまいました。なぜかというと、その池の様子があまりにも美しかったからなのです。まず池のほとりには美しい人魚がところせましと微笑み談笑していました。談笑の相手は人間の男で、見るからに美しい人魚にデレデレの様子でした。そして水面には蓮の花やバラの花、たんぽぽやヒマワリが美しく咲き誇っていました。私も人魚に産まれさえすれば・・彼だって最後まで私の名前をつぶやいて死んでくれたかもしれないのに・・こんな時までそんなことを考えてしまいました。しかし今はそれより人魚の子供の乳歯です。私は人魚の子供を探すことにしました。池のほとりからは外れて森の中深くに私は入っていきました。するとやはりそこには大量に人魚の子供がいました。これはあまり知られていない事実なのですが、人魚は子供の頃から美しいのではなく大人になって初めて見違えるように美しくなるのです。子供の人魚はとても醜く、目は黒目ばかりギョロギョロと大きく口はカエルのように大きく口の中は歯がびっしりと生えています。身長は子犬くらいで人魚らしい尻尾はまだなく短い手足が胴体から生えていてそれでノロノロとゴキブリのように歩きます。その姿は想像するのも難しいくらい醜くて、人魚たちもその醜さを理解して恥じているので森の奥でこっそりと育てるのです。そしてご飯には川から魚をとってきてあげておいてあげ、それをムシャムシャと食うのです。私はどの子供の歯を取ろうかと品定めをしました。すると中に一人、ひ弱そうな人魚の子供がいたのでその子に狙いを定めて乳歯を頂くことにしました。
「ごめんね」
私はそう言うと人魚の子供の口に手を入れて前歯の乳歯をへし折ろうと力を込めました。すると人魚の子供は「ギャアアアアアアアアア!!」と汚い声で叫び出しまた。
「お願い静かにして!1本だけでいいの!私とあの人のために!ね!お願い!」
どれだけ力を入れても歯はなかななか折れません。人魚の子供も叫ぶのをやめません。
しばらく歯と格闘していると、ふいにポキっという感触がして歯が折れました。人魚の子供もそのころには絶叫をやめていました。私は乳歯をカバンに入れるとさっそく帰ろうと後ろを振り向きました。するとそこに一人の美しい人魚と半裸の美しい人間の男が立っていました。美しい人間の男がワナワナと震えた様子で私に喋りかけました。
「おい牛女。お前・・俺たちの子供に何をした?」
「え・・いや・・」
「答えろ!何をした!」
「いや、乳歯を、1本頂いただけで・・」
「何のためにだ!」
「ほら!この子の病気を治すためで!」
私はそう言って抱っこ紐の中のこの子を美しい人間の男に見せました。この子は来た時より数倍赤く膨らんでいました。
「うわ!醜いものを見せるな!獣め!」
「醜いって、この子は私と彼の愛の証なんです!」
人魚の女が憎々しげに私を睨んで呟きました
「頭が変よ・・この女」
「ああそうだな」
美しい人間の男はパンツの中から拳銃を取り出しました。
「おい女。お前が死んでもな、この子の歯は治らないんだぞ」
そう言うと美しい人間の男は私めがけて引き金を引きました。拳銃の弾はズドンと私の胸を射抜きました。
「さあ行こう。怖かったな。大丈夫だ。歯はまたすぐ生える」
人魚の女と美しい人間の男性が子供を抱いて森の奥に消えて行きました。私は薄れる意識の中でそれをジッと見ていました。抱っこひもの中の私の子がギュッと私を抱きしめてきました。私は抱き返したかったのですが力が足りませんでした。
# by akuta-seiryou | 2014-08-11 23:03 | 色々

知らないルール

この町の子といえば馬鹿ばっかりだと私はホントにそう思っていた。
最初パパから栃木の片隅の田舎町に引越しをすることになると思うという話を聞いた時私は家で目が真っ赤になるほど泣いた。だってせっかく中学に入ってクラスにも馴染んで、小学校からの友達のマアヤと一緒にバトミントン部に入って楽しく過ごしていたのに、それなのに中1の9月に引越しなんて、パパは私の気持ちがわからないの?と泣きまくってパパとママを困らせた。パパとママは「まだ9月だから向こうでもすぐ友達はできるよ。クミは優しくて可愛い子なんだから」と言って慰めてきた。それでも私は泣き止まなかった。
あんまり私が泣くものだから、とうとうママは「中学生にもなって・・・事情があって友達と離れるのはしょうがないでしょ!東京と栃木なんてそんなに遠くはないんだから!会えばいいじゃない!」と怒っていた。それでも私は泣き続けた。だって、友達と離れたくないっていう気持ちもホントだけど、ホントはパパとママに言ってない事があったんだもん。
それは、私がバトミントン部の先輩で3年生の仲松さんに一目惚れしていたということ。仲松さんを初めて見たとき、あ!ほんとにジャニーズみたいにかっこいい人っているんだ!って思った。髪はちょっと短めなんだけど、鼻が高くて目が大きくて、でも笑った時は顔が可愛い子犬みたいにクシャってなって、その大きな目も一瞬で笑顔の中になくなっちゃってすごく可愛いの。今年の夏が終わって引退したんだけど、ちょくちょく部活を覗きにきてくれるの。8月に引退してからちょっとずつ髪の毛も伸ばしてるらしいから、これからもっともっとかっこよくなるんだと思う。
とにかく私は一目惚れした仲松先輩の元から離れなきゃいけないのが耐えられなかった。でもやっぱり私がどんなに嫌って言ってもパパの仕事の都合は変わらなかった。9月に私たち家族は自動車で新しい家に向かって東京を出た。
私が参加する最後の練習の日、マアヤたちが泣きながら手紙をくれた。後ろには引退した3年生の人たちも何人かいて、そのなかに仲松さんもいた。私は最後にマアヤに仲松先輩と私のツーショットの写メを撮ってもらった。仲松先輩はニッコリクシャっといつもの子犬みたいな笑顔で写ってくれてたけど、私は泣きじゃくっててすごい不細工だった。でもそれが私の唯一の宝物。ケータイの待受にしていつでも見られるようにしてある。
私が通うことになった中学は周りに商店街があったりしてなんだか全然おしゃれじゃなかった。通ってる人も東京の中学とは違いなんだか野暮ったい感じだし、男子もおなじくでニキビの坊主みたいなやつばっかりでホントにパッとしなかった。
「東京から来たんだ?私も東京行ったことあるよ!スカイツリーとかだよね?」
「東京から来たんだ!ふ~ん。俺も親戚が東京に住んでるよ。なんか狭くて家賃だけ高くてあんま良くないって言ってるらしいけど」
東京東京東京東京・・皆栃木が変に東京に近い分、そんなに意識をしていない振りをしてまるで元からひとつの仲間みたいに話しかけてくる。私はそれがたまらなく嫌だった。だからわざとツンとした態度をとっていた。
それでも、学校の皆は優しく接してくれてきた。何かみんなで遊ぶ話があれば必ず誘ってくれたり、お弁当の時間もなかば無理やりだけど私の腕をひいて一緒に食べてくれたりした。
「あ~すごい!クミちゃんのお弁当すごいおいしそう!お母さんがつくってるんだよね!羨ましいな~」
毎回わざわざ私のお弁当やちょっとしたペンや靴下とかを褒めてくれて、だんだんとわざとツンツンしてる自分が恥ずかしかった。皆は私がはやくこのクラスに馴染めるように手を出してくれてるんだ。それを私は見栄
ばっかりはって断って・・なんて私は子供なんだろう。そう思うと情けなくて、つい「ごめんね」と声に出してしまった。「え?」と一番私に話しかけてくれていたアサミが聞き返してきた。
「今まで仲良くしてくれようとしてたのに、ごめんね!!」
そう言うと私は胸のつかえがとれたようにワーワー泣いてしまった。アサミがよしよしと頭を撫でてくれた。
その一件以来私はやっとクラスに馴染むことができた。そして今日、初めて同じクラスの仲良しの女の子5人と町に遊びに行くことになった。
私は白色の毛糸のセーターにジーンズを履いて、おめかしして集合場所の駅まで向かった。駅前で集合した5人と会うのはなんだか照れくさかった。だって学校では制服だから私服の自分を見られることもないし、逆に私服の友達を見るっていうのもそれはそれで照れくさかった。
少し早めについたのでベンチに座ってまっていると、皆がぞくぞくとやってきた。彼女たちの服もとっても可愛かった。皆口々に「クミちゃんのセーター可愛い!」などと褒めてくれる。なんだか照れくさい。じゃあどうする?ということになって、まずは近くのゲームセンターでプリクラでも撮ろうかということになった。駅から歩いてすぐのところにあるゲームセンターは土曜日ということもあり結構混んでいた。
お目当てのプリクラコーナーにはすでに何組かが待っていた。私たちはその列の後ろに並んで他愛もない話をしていた。するとアサミが私の肩を指でちょんちょんと叩いて「あっちむいてほいやろう!」と言ってきた。
私は何でいきなりそんな子供っぽい遊びをするのかと思ったけど、なんだか可笑しくて笑いながら「いいよ」と答えた。
じゃんけんぽい あいこでしょ じゃんけんぽい あっちむいてほい
じゃんけんぽい あいこでしょ じゃんけんぽい あっちむいてほい
試合はなかなか盛り上がった。私がヒートアップして「あっちむいてほい!!」と右を指した瞬間、指先がヌメっとしたものにくわえられた感覚がした。驚いて指の先を見ると、40歳くらいのおじさんが私の指をヌッと加えて立っていたのだ。
「キャアアーー!!」
私は咄嗟に大声で叫び、おじさんの口から指を引き抜こうとする。でも不思議と全然離れなかった。
「ちょっと!このおじさんなに!はやく警察よんで!」
そう言ってる間にもおじさんは私の指をくわえて離さない。指先におじさんの舌のようなザラっとした感触が当たり、全身に鳥肌が立った。
「ちょっと!ボーッと見てないで助けてよ!」
私は思わず一緒にあっちむいてほいをしていたアサミに怒鳴ってしまった。
「いや、ごめんねクミちゃん私忘れてて・・」
「はあ!?」
「いや・・そのおじさんのこと・・その・・そのおじさんがくるのってすっかり忘れてたの」
「くるってなに?このおじさんが?そんなことよりちょっと助けてよ!」
「ダメ。本人以外はそのおじさんに何もしちゃいけないって決まってるから・・」
アサミは申し訳なさそうに目を伏せた。私はアサミが何を言っているのかわからずとっさにゲーセンの中の大人たちに助けを求めた。
「ごめんなさい!助けてください!ずっとこのおじさんに指を舐められてるんです!」
おじさんは口の中で私の指を舐めて転がし始めた。舌のザラザラとした部分とヌメヌメとした部分が不規則に触れる。
「ひぃぃぃぃ!」
それでも周りの大人たちは同情したような顔をして眺めてくるだけだった。こんなことになるんだったら最初からこんな田舎の子達のことなんて信じなかったら良かった。やっぱり野蛮で変な文化がまだまだこの田舎町には残ってるんだ。そう思うと気が遠くなり倒れそうになった。しかしここで失神したらこのおじさんにさらに何をされるかわからない。私は立ち向かう力を入れ直そうとポケットに自由なほうの手を入れた。あった。私はポケットに入っていた携帯を握りしめ取り出した。開いた。そこにはあの日の仲松先輩と私が写っていた。仲松先輩は相変わらず可愛い笑顔で笑いかけてくれる。今仲松先輩はどうしてるんだろうか。もうやっぱ彼女とかできたのかな。私もはやく仲松先輩に釣り合うような女になるために、このピンチを乗り越えよう!そう思った瞬間、急に白くてドロッとした液体が携帯の待ち受けの上に飛んできた。そのドロっとした液体は一瞬で仲松先輩と私の写真を濁らせた。どこから飛んできたのかと目線をずらすと、その白いネバネバした液体はおじさんのオチンチンから出されていたみたいだった。おじさんの大きくなったオチンチンから仲松先輩と私の写真を汚した白いドロっとした液体がビクビク出てるのを見て確信した。
私はとっさに携帯の蓋を閉じた。ヌチュッという感覚と共に携帯が締まる感触が手に伝わってきた。私はもう何も言えなかった。唯一の仲松先輩との思い出をこのおじさんのオチンチンから出た汚い液体で汚され、こうしてる今も指を口の中でヌルヌルザラザラ舐められている。そしてそれを誰も止めてくれない。絶望だった。目を閉じて立ち尽くしていると、こちらに向かって走ってくる音が聞こえた。
「君!ライターは持ってないの!?」
目を開けるとそこのゲームセンターの従業員らしき人だった。私の指をくわえているおじさんと同じくらいの年に見える。私は何を言われてるのかももうよくわからなくてただただ返事をした。
「ライター・・ですか?」
「持ってないと思います・・」
一緒に来ていた同じクラスの川瀬さんがオズオズと言った。
「君たちは!?持ってるんだろ!?」
ゲームセンターのおじさんは他の4人にキッと目を向けて言った。すると皆申し訳なさそうにポケットからライターを取り出した。
「誰か、貸してあげなさい」
4人とも下を向いたまままったく動かない。
「貸してあげなさい。この娘、友達なんでしょ?」
しばらく黙った後、アサミが口を開いた。
「でも、このライターは絶対に貸しちゃいけません。ってお母さんも、先生も言ってたし・・」
ゲームセンターのおじさんは大きなため息をついて、周りを確認してポケットからライターを取り出し私の手に握らせてきた。
「これを使いなさい。このライターはもうあげるから。おじさんはいいから」
「・・どうやって使ったらいいんですか?」
「それも知らないのか・・君、ここらに越してきたばっかか?」
「はい」
「そうか・・このおじさんはな熱さには少しだけ弱いから、こうやってライターで頬っぺたを燃やすんだ」
そう言っておじさんはライターをつける動作をした。
「頬っぺたを燃やすんですか?」
「ああそうだ」
「警察・・警察とか呼んじゃダメなんですか?」
「警察がきても一緒だ。むしろ後がややこしい。今の状況だとライターを持ってない君が罰せられる可能性もあるんだぞ?」
「えっ・・」
「わかったら、ほら、ライターでこのおじさんの頬っぺたを燃やしなさい。そのかわり、途中で絶対やめてはいけないよ!
おじさんが君の指をくわえてるのを離すまで、絶対にライターで頬っぺたを燃やしつづけないといけない」
「なんでそんなこと」
「はやくしないと、指がおかしくなっちゃうよ。病院にいっても理由が理由だからまともに診察なんかしてくれないんだから」
私はせかされてライターをこすった。ライターをこすって火を出すなんて正月にふざけてパパのタバコに火をつけた時以来だ。
その火をおじさんの頬っぺたに持っていく。ジジジジとおじさんの頬っぺたが焼けて、燃えていく音がした。それでもおじさんは指を舐めるのをやめない。
おじさんの肉が焼けていく悪臭が鼻につく、おじさんの顔も見てられないものに変わってきた。ライターを点けている指が熱い。おじさんはまだ私の指を舐めていた。それどころかさっきより激しく中で舌を動かし舐め回していた。私は声もあげれずただ目を閉じ鳥肌をたてつづけていた。
とうとうおじさんの頬っぺたが燃えだした。手がすごく熱い。もうライターをつけるのも耐えられない。そう思った瞬間、おじさんの舌の動きが止まった。
私はもしかして終わったのかと思い、目を開けた。その瞬間におじさんがすごい形相で目を開き
「んんんんんんんんんんんん~~~~~!!!!!!!!!!!」と私の指をくわえたまま唸り、舌をベロベロベロベロと動かしだした。
「キャアアアアアアアアーー!!!」
私は恐怖で思わずライターを離して体をのけぞらした。すると私の体はおじさんから離れてプリクラ機にぶつかった。やった。おじさんがとうとう私の指から口を離したのだ。そう思い舐められていた人差し指の部分を見ると、綺麗にそこだけ噛み切られていた。おじさんは頬っぺたにすごい大きさのケロイドをつくって床に倒れている。息はしていないようだ。私は気を失った。
次の日起きたら私は病院のベッドで眠っていた。結局少しだけ入院して帰って学校にも復帰した。特に皆とはその日のことは話していないが私は必ず外に行く時はライターを持つようになった。それから人差し指を噛みちぎられてから何故かメキメキと勉強ができるようになって、校内ダントツ1位の成績で県内屈指の進学校にトップ合格したのだけど、高校に入ったらその力もなくなった。
# by akuta-seiryou | 2014-07-11 21:36 | 色々