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あのリズムをもう1度

パソコンが治った!パソコンが治りました。ブログを書くときは僕はずっとパソコンだったのですが、パソコンが壊れてからというものブログを更新しようとしたらスマホで文字を打たないといけなくなり、チマチマ液晶の画面をみてフリック入力で文字を入れていてもまったく気分が乗らず、書いてはやめ書いてはやめをしていたのですが、この度パソコンが治りましたので軽快にキーボードを叩いています。

皆様、あけましておめでとうございます。すごく遅いですね。2月になってしまいました。いろいろなことがありました。僕らが単独ライブをやることになったのですが、それが開始8時間で完売させていただき、良かったなあということや様々なことがあったのですが、年始早々悲しい出来事もありました。

それはというと、僕が彼女を毎回必ず笑わせていた最強のリズムを忘れてしまったのです。

僕は可愛い男の子が好き(バイセクシュアル※(男※も女も好きだということ)(僕※は可愛い男の子のみ)(僕というのは木田))なのですが、僕にはめちゃめちゃ可愛くて愛らしくて大好きな彼女がいます。そしてその彼女を毎回笑わせているリズムがあったのです。そのリズム、これを書いている今となってはそのリズム自体を忘れているので、説明しようがないのですがそのリズムは口に出してもおもしろく、彼女の足をそのリズムで叩いて小さな音を出すだけでも笑いを起こせるという素晴らしいリズムだったのです。

具体的にどれだけすごかったかというと、以前僕と彼女とギャビン(ルミネのモデルとかをしてるめちゃめちゃ可愛い顔の外国人の芸人。調べてみてください)とあと数人でご飯に行ったとき、他にも初対面の人がいたのでその人に敬語で喋っていたところ、僕が敬語の境目の訳がわからなくなってつい何の気なしに彼女にも敬語で喋ってしまったのを後で怒られてしまい話が進んでゆくにつれ「どこまで本気で男が好きなの?」と聞かれ「可愛い男の子は普通に好き」と泣いて謝ったという少しだけボヘミアンラプソディみたいな出来事があった次の日でも恐る恐るそのリズムで彼女の体を叩いてみるとフフッと笑ってくれたというもう僕の中ではなくてはならないものでした。

そのリズムがなくなった。

ある日ふと忘れてしまったのです。その日は彼女の家に泊まっていて、起きたら何か違和感がありました。今思えばその違和感を無視して生活をしていれば、恐らくはあのリズムがなくなることはなかった。そんな気がします。僕はこの違和感は何だろうと思い、考えているうちにいつも発していたあのリズムがつっかえたように出てこないことに気づきました。

ここからがさらにダメだったのですが、彼女に向って「テン。テテテン。テンテン。テテテン」と少しリズムを発してみるとぽかんとしています。もちろんです。面白くも何ともないのですから。これをやってしまうことで、もしくはそのまま待っていれば脳の底から浮き上がってきてくれたかもしれなかったはずのあのリズムが別の面白くないリズムによって下にいってしまいました。その時の僕はそんなことも気づかずにただ闇雲に面白くないリズムを大量に口から発していました。「ツツツタン。ツタツツツン。タン!」「デデデデン。デデデン!デデデデン」目隠しをしたままグラウンドの上に落ちている1円玉を探すようなものです。当然見つかりません。

しばらく箸にも棒にも掛からないリズムを発し続けていた僕に、彼女が「あ~あ。忘れてもうたな」と言ってきました。この一言で僕はあのリズムを「忘れてしまった」という事実を自分の中で固めてしまいました。彼女も僕が何の足しにもならないリズムを出し続けるのを聞いたせいでぼんやりと思い出せくなってしまったらしく、それでもヒントとして「太ってるくせにこんな機敏なリズム」というので笑っていたというようなことを言われたのですが、もう思い出せません。彼女は面白いのです。「録音しとかなあかんかったなあ」とさらに言われ、あのリズムが記憶の奈落に落ちていくのだけがわかりました。言葉というものは繊細に扱わないといけません。悲しい。
例え、もしこれからの人生の中であのリズムを思い出した気持ちになったとしても(果たしてこれは本当にあのリズムなのか・・)という疑問がついてまわることになり、そのリズムは本来持っていた純な面白さを得ることはできないでしょう。ああ悲しい。僕のリズムはいずこに。

誰か僕のリズムを見かけたら声をかけてあげてください。

「君は本当に面白い。ゆっくり休んでくれ」と

# by akuta-seiryou | 2019-02-01 14:45 | 思い出

演劇に出ました

マチネ、ソワレが終わり、流した汗は舞台の光の中に蒸発して消えていった。マチネ、ソワレ。


皆さんは「マチネ」と「ソワレ」の意味を知っていますか?僕は知っています。


「マチネ」は午前「ソワレ」は夕方という意味らしいです。なぜ僕がそれを知っているかというと、先日人生で初めて演劇に出たからです。演劇というと必要なのは最低限の演技力で、もともと自分に演技力が無いのはわかっていましたが、自分で思っているよりも演技力というのがありませんでした。


稽古初日にまず、僕が気まずそうに「あぁ」というシーンがあったのですがそれが全然言えなかった。「あ」や「あーーー」などばかりで「あぁ」が出てこない。


音を操るというのは難しく、意識するとどんどん変になっていく。主宰の方に「全然普通で大丈夫ですよ!あぁ、みたいな!ほんとにほんとに!」と言われやってみると、その時は「あぁ」と言えて「その感じです!じゃあやってみましょう!」と言われ練習に戻ると「あーー」と言ってしまい「またなっちゃってますね!!」となるのを繰り返していた。最終的にその部分はなくなって全然違う台本になった。


台本を変えてもらう、というとワガママなスター女優みたいですが、何もできない太った男でも変えさせることはできました。下手すぎてですが。申し訳ないなと思いましたが、本番で「あぁ」を出す自信はなかったので少し安心しました。


最終的に、主宰の方と一緒にトイレで並んで小便をしている時に「木田さんはどんな感じだとやりやすいですか?」と聞かれ僕は「なんか..簡単なキャラがあると..」と小便と同じく歯切れ悪く答えたのを反映してもらえたのかどうかはわかりませんが「元気な歌のおにいさん」というめちゃめちゃわかりやすいキャラをもらって、そこからは比較的楽でした。


そんなこんなで練習が終わり、公演も終わり、最終日に打ち上げをやりました。打ち上げも終わって外に出た途端、急にめちゃめちゃ寂しくなりました。悲しい、終わりたくない、これで終わってしまうのか、僕は高校野球をやっていた時から「合宿」とか「引退」とかが部活的な事が大好きなので今思えばこの「一定期間集まっていたメンバーが合わなくなる」というのがドツボすぎて気持ちよかったというのがほとんどだったかもしれません。


感動を自分で増幅させてる状態の僕は、最後外で共演した皆さんに握手を求めたりしてどんどん感極まっていった。一番役も楽で演技が難しいところもなかった太った男が最後の最後にいきなり熱くなって握手をしてきたから困らせてしまったかなと少し思う。


共演した俳優の方と上野まで一緒に歩いている道中に「すごく寂しいですね。こういうことなんですね。俳優さんの楽しいところって」と的外れなことを言って歩き続けた。


一期一会という感じがとてもいい。あっさりさっぱりしている。家へ帰る。


# by akuta-seiryou | 2018-12-28 07:09 | 思い出

文豪

胸ぐらを掴むような怒りもなければ全てが止まるような感動もない。無い物といえば無いのだが、他にあるものといえば無い気がする。愚にもつかない思いを毎日こしらえては、粗雑な飯を食い、昨日と変わらぬ自分がただそこにある。品のいいものが手に届かないかと言われればそうではなく、ただ汗を流す努力をし外で安価な飯や甘食酒などを控えると手に入るが、これらを我慢することができず、ただ何も考えていない体を満たす。平日凡凡な生活の中に、忙しさということが加わるだけで足踏みか前進かもわからぬ毎日が睡眠の中に消えてゆく。想い人の美しさと過ぎる時間の心地良さは、おだやかな不安の中に笑顔で立っている。それでも愛しい人、いつまでも変わることなく2人で立つ不安の窓辺に、雨が降り、日が差し、景色と二人は変わるだろう。貧乏は敵とも味方とも思わない。金はあるほうがよい。これらのことは善いとも悪いとも言えず、ただ、そうだというだけである。とにかく僕は今ある現実の全てが愛しく、また等しく悲しい。例えば、太陽の日差しに当たると気分が良くなる瞬間、生き物としての自分への理解の可能性がある。


# by akuta-seiryou | 2018-11-23 06:21 | 色々

変なやつ

かっこいいものになりたい。かっこいいものに、シュッとしていて、顔も良くて、機転がきいて、愛嬌があって、ミステリアスで、おもしろくて、感情の機微が読める、というのが僕の思うだいたいのかっこいい要素だ。真逆だ。自分とは。かっこいいのに愛嬌がある人がいる。反則だ。ぼくが黙ってニヤニヤしてお酒を飲んでるような打ち上げで、かっこよくておもしろくて場をうまくさばく、それでいてうるさいわけではなく節度のある盛り上げ方をしている人がいる。格好が良い。


ぼくは5人以上の人数になると、会話のペースに入れずあまり喋れなくなる。嫌いとかではなく、タイミングがよくわからなくなる。どれだけ仲のいい人たちでもそうなるので緊張とかではないと思う。子供のときからそうだった。なので小中高と少ない人数で、お気に入りの友達を集めて喋っていた。大勢で喋る時は明るく楽しいのでそれはそれでいいのですが、みんなで喋ってるとなぜか急に理由なく寂しくなる時があって、そういう時はぼくが集めた不気味な友達を校舎の誰もこない所によんで喋っていた。


中学の時には岸谷という友達がいて、そいつは自分のことを「こっち」その他の人のことを「そっち」と呼ぶ他人との境界線をめちゃめちゃはっきりとひいているやつで、楽しかった。ロシアの土の層について調べたい、という話を延々とされた記憶がある。小学生の時は平賀という虚言の気があるやつで、外を指して「ここからみえるとこまでが僕のお父さんの土地やねん」と言っていた。平賀の家はそこまで裕福ではなく、普通の家なので明らかな嘘であることは確かだが、僕はほぉ〜とずっと聞いていた。平賀としても明らかな嘘を延々と聞いてくれるのは楽しかったのだろう、それからも何回も色々な大きすぎる嘘を言われた。平賀は高校を卒業し自衛隊の炊事班に入ったらしい。それを聞いた19歳の僕が奈良で「なんでやねん!!」と言った覚えがある。そういう、人目のつかないところで変なやつを集めるような癖は大人になった今でもあまり変わらない。みんなに隠れてフェーというコンビの篠原さんという顔がすごく変な人と二人でご飯に行き、顔を高速で振ってもらったりして笑っている。ぼくの憧れる人はそんなことしない。


変なやつが近所に住んでほしい。夜中ぼくがいつ電話をしても出てくれて、散歩に延々と付き合ってくれる変なやつ。変な人の話を聞くのが好きだ。こういう人に会いたい、という例は「とくになにをやりたいでもないけどとりあえず東京で一人暮らししていて、毎日日記をつけてる」人とかです。僕は暗い変な人が好きなのだと気づいた。変わった人は多くても、中でもタイプな変な人を探すというのは難しいことなのだ。これからの人生では、長い期間をかけて僕のタイプな変な人と知り合っていけるような人生にしたいとおもう。仲良くしてもらえるかはわからないが、話題をたくさん用意しておこう。


# by akuta-seiryou | 2018-11-07 03:31 | 思い出

ガクヅケ木田師匠の後輩へのアドバイス

ごっつい家住んでよ、ほんで、ごっつい炊飯器こうて、それで、米たかして、食うたら、めっちゃええやろ。な?おまえも、そうせえや。やっぱり、生まれたからにはごっつい飯と、ごっつい家やろ。おまえ、な?わかるやろ?アホみたいに広い部屋でよ、住んでよ、叫ぶねんな、うぁぁぁ!!って、ごっついすっきりすんねん。旅行なんか、せせこましいわ。どうせ帰ってくんねやから、そんなもん。


逃げ、やな。俺も、昔は好きやったけど、旅行。いまはおまえ、ほら、いろんなところに家あるから、どこにいくのも帰るだけやねんな。逃げれへんねん。ほんなら、どないすんねん、て思うやろ?棒でな、床を、しばくねん。こう、バシッッと。人間、死ぬのだけがわからへんわけやろ?結局。そこに突っ込んでいくねんな。でもおまえ、まさかほんまに死にはできへんから、こう、飛び降りたりとかやな、そんなこともできへんから、こう、棒で床をしばくと、手がジーンとするやろ。これが死からめっちゃ離れたところにあるけど、死の感覚やねんな。俺的にはな。手が、わからんくなるねやから。ほんでそれずーっとやってたら、あー明日も、がんばろ、てなるねん。ハワイとか、ラスベガスやとか、あれは正味アホやで。棒と床でええねん。まあでもこれは、金があるからやな。金ないおまえみたいなやつがやっても、あかんで。悲しくなるだけや。ラスベガスにもハワイにもいける、でも俺はこの棒、ていうのが、ええんやろなあ。


あとおまえ、アホみたいに寝て起きて外歩いて疲れたら寝て、毎日やなあと思って過ごしてるやろけど、あかんで。アホになる一方やで。賢く生きなあかん。賢い、ていうのは、アホを外から見れるてことやな。じゃあ、アホてなんやねんな?理屈の通らん、てことやろなあ。他人にはアホはおらんで。理屈なしで動いてるやつなんて、1人もおらんで。どんなに間違った理屈でもな。だから、他人見て、アホやなぁ思ってるやつが、もっとアホやな。うんこ見て、きたないなあ、ていうて、ずっと見てるやつは、うんこよりアホに見えるやろ。これをわかってやってるねやったらええけど、わかってへんかったらあかんで。


だからおまえなんでもしたらええねん、そのかわり、アホの自分をちゃんと見ることやで。ほんならおまえ、自然と金がよってくるわ。酒鼻から飲んで、目回して、笑われても、おまえが一番それを笑っとったらおまえが賢いねん。ほんならおれ、しょんべんでうごく車に乗ってお餅で出来た家に帰るわな。さよなら。


2078年 ガクヅケ木田師匠からのアドバイス 渋谷ぼうしょにて


# by akuta-seiryou | 2018-10-09 01:07 | 思い出